おすすめのプログラミング言語を難易度別に一覧で紹介!
公開日:2019.11.15 最終更新日:2020.09.25
スキルアップ現在世界中で使用されているプログラミング言語は、シェアの大小を問わなければ200種類以上と言われています。実際に開発現場で使用されるメジャーな言語だけでも20種類を超えるため、プログラムに初めて触れる人は最初に学習する言語の選択が難しいでしょう。
ここでは、プログラミング言語の基本的な用語と、自分が作りたいものを開発するための言語の選び方について解説します。
プログラミング言語とは
プログラミング言語とは、簡単に言うと「コンピューターなどの機器に処理の指示を出すための言葉」です。
世界中で200種類以上あるとも言われるプログラミング言語ですが、現在使われているものは大きくWeb開発、アプリ開発、デスクトップ開発、AI/機械学習の4つに分けることができます。また、Web開発用については、さらにサーバサイド言語とフロントエンド言語の二つに分けることができます。
サーバサイド開発用
文字通りサーバ側の処理を担当する言語で、複雑な計算やデータベースの処理などを行います。Webのバックエンドシステムとしては、PHP(ピーエイチピー)やRuby(ルビー)などが使用されます。また速度や信頼性が求められる場面ではGO(ゴー)やRust(ラスト)が使用される場合もあります。
フロントエンド開発用
HTMLやCSSと合わせて、Webブラウザでユーザーが見ることができる部分を形成する言語がフロントエンド言語です。現在はほとんどの場合JavaScript(ジャバスクリプト)が使用されます。
スマートフォンアプリ開発用
AndroidやiOSなどのスマートフォン用のアプリを開発する言語です。それぞれのOSによって対応する言語が決まっており、多くの場合AndroidはJava(ジャバ)、iOSはSwift(スウィフト)がメインの言語となります。また、最近ではAndroidにおいて、JavaにかわってKotlin(コトリン)が採用されるケースもあります。
デスクトップアプリ開発用
デスクトップで動作するアプリの開発を行う言語です。一般に使用されているデスクトップはWindowsが多いということもあり、デスクトップ開発用としてはマイクロソフト社が開発するC#(シーシャープ)がメジャーな言語となります。
AI/機械学習用
近年急速に伸びているAIや機械学習ですが、これを開発するにあたってのメジャーな言語としては、Python(パイソン)やR(アール)が挙げられます。またエッジAIやAIに必要なセンサーの開発ではC言語が使われる場合もあります。
言語によっては「フレームワークの有無」という違いがあります。フレームワークとは、汎用性のある大きなプログラムの枠組を指すものです。プログラムでシステムを構築する場合、基盤となる骨組みから作成することになりますが、フレームワークを使用すれば、すでにある程度構築された骨組みに必要な機能を追加するだけでアプリやシステムが開発できるようになります。これにより、大幅に工数が削減し、作業効率の向上につながります。
言語によっては、特定のフレームワークがあることを前提として開発する場合もあり、プログラミング言語を選ぶ際に重要な指標の一つとなります。
プログラミング言語一覧表
ではここで、今回紹介する11種類のプログラミング言語を難易度別に一覧で紹介します。
この表は横スクロールでご覧いただけます
言語名 | 難易度 | カテゴリ | 特徴 |
---|---|---|---|
PHP | 低 | サーバサイド開発用 |
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Ruby | 低 | サーバサイド開発用 |
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JavaScript | 低 | フロントエンド開発用 |
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Java | 中 | スマートフォンアプリ開発用 |
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Kotlin | 中 | スマートフォンアプリ開発用 |
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Swift | 中 | スマートフォンアプリ開発用 |
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C# | 中 | デスクトップアプリ開発用 |
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Python | 中 | AI/機械学習用 |
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GO | 中 | サーバサイド開発用 |
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R | 高 | AI/機械学習用 |
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Rust | 高 | サーバサイド開発用 |
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C言語 | 高 | AI/機械学習用 |
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今回はこの一覧表と合わせて、順番にプログラミング言語の特徴について解説していきます。
プログラミング言語はどのように選ぶのが良い?
上記でご紹介した11種類の言語以外にも、世の中にはたくさんのプログラミング言語があります。こうしたたくさんのプログラミング言語の中から、自分に最適の言語を選ぶ場合に重要なのは、自分がどのようなアプリやサービスを作りたいのかをしっかりイメージすることです。
そもそも作りたいものによって、適しているプログラミング言語が違います。そのため、作りたいものがはっきりしていない状態でプログラミング言語を選んでしまった場合、例えばiOSアプリを作りたいが、Java(Android用の言語)の勉強を進めていた、といったミスマッチが発生する可能性があります。
プログラミング言語の学習には、長い時間がかかります。比較的簡単な言語でシンプルなアプリを作る場合でも、自力で作成できるレベルに到達するには少なくとも200時間以上の学習が必要になると言われています。
長期に渡るプログラム言語の学習でモチベーションを長続きさせるためには、自分が本当に作りたいものに最初から向きあうことが重要です。学習していく中で、作りたいもののイメージが断片的にでも見えることは、学習のモチベーションを大きく上げてくれるからです。
ここからは、作りたいものをカテゴリに分けて、適した言語について紹介していきます。
Webサイトが作りたい
Webサイトの構築に用いられているメジャーなプログラミング言語としては、サーバサイド言語ではPHP、Ruby、フロントエンド言語ではJavaScriptが挙げられます。
PHP
非常にメジャーなスクリプト言語です。世界トップシェアのCMSであるWordPress(ワードプレス)を始めとして、多くのWebサイトで使用されており、ほとんどのレンタルサーバに最初からインストールされているため、開発環境の準備が簡単です。
HTMLとの親和性が高く、文法も比較的簡単なので、プログラミング初心者にも始めやすい言語と言えます。また、利用人口が多く、日本語での解説サイトや情報が豊富なので、独学での習得が比較的容易な言語でもあります。
PHPの難易度
日本語の情報が多い、環境構築が簡単、文法や記述ルールが簡単などの理由から、習得の難易度は低い言語になります。
Ruby
有名なフレームワークであるRuby on Rails(ルビーオンレイルズ)で一躍話題になった純国産言語で、PHP同様、現在のレンタルサーバの多くは最初からインストールされており、環境構築が容易です。また、プログラミングを楽しむという思想のもと、書いていて気持ちいいことを意識して設計された言語です。大手メジャーサイトでも使用されており、Webサイトにおいて実績が豊富な点も特徴の一つです。
Rubyの難易度
日本語の情報が多く、上述の有名フレームワークRuby on Railsの使い勝手の良さなどの理由から、Rubyも習得難易度が低い言語となります。
JavaScript
HTMLやCSSと組み合わせてブラウザを「動かす」ためのプログラム言語であり、Webサイトを作る場合は避けて通れない言語です。ブラウザ上での動的な処理の多くに活用され、さまざまなサイトで利用されています。
最近ではNode.js(ノードジェーエス)という、JavaScriptをサーバサイド言語として活用できるフレームワークや、React Native(リアクトネイティブ)という、アプリ開発が可能になるフレームワークも登場し、活躍の場を広げています。
JavaScriptの難易度
気軽に実行でき修正もリアルタイムで容易、文法もわかりやすく直感的にかけることから、JavaScriptも習得難易度が低い言語です。
スマートフォンアプリが作りたい
スマートフォンアプリを作る場合のプログラミング言語としては、AndroidならJava、iOSならSwiftが挙げられます。
Java
Androidアプリ作成時の定番であり、アプリを作る際のサンプルやライブラリが数多く公開・配布されています。さらに、オンラインの無料講座や情報サイトも多く、さまざまなアプリ作成方法を解説した書籍も多数発売されています。
IDE(アイディーイー)(Integrated Development Environment=プログラム開発に必要なものが全部詰まった総合開発環境のこと)であるEclipse(エクリプス)を使用することで、初心者でも簡単に開発を始めることが可能なことも特徴の一つです。
Javaの難易度
Javaの習得難易度は中です。コンパイル型言語のためすぐに実行して確認することが難しい、Nullに気をつける必要がある、型をきちんと定義しないといけない、などが主な理由になります。
Kotlin
Javaを改良しより安全に使えるようになった汎用言語です。Java仮想マシン(JVM)上で動作が可能なため、Javaと同じライブラリも使用することができます。
Google社が、Androidアプリ開発言語として公式に認定しており、Android開発の現場でJavaに変わって採用される場面も増えています。
Kotlinの難易度
Javaと同じく、Kotlinの習得難易度も中としています。ただし、Javaと似た言語であるため、すでにJavaを習得済みの人にとっては、それほど難易度は高く感じられないでしょう。
Swift
iPhoneをはじめとするiOS向けアプリを作成する際のメジャー言語です。MacOS上でのみ開発が可能で、専用IDEであるXcode(エックスコード)を使用して開発を行います。
比較的新しい言語ということもあり、新しい情報が豊富です。またサンプルコードや解説サイトも充実しており、学習用のアプリもあります。
Swiftの難易度
Xcodeという独自の開発環境に慣れないといけない、コンパイル型言語であるなどの理由から、Swiftも習得難易度は中としています。
デスクトップアプリが作りたい
最も使用されているデスクトップであるWindows向けのデスクトップアプリの開発には、マイクロソフト社が開発するC#が活用されています。
C#
C#はマイクロソフト社が開発するということもあり、Windowsのデスクトップアプリを作る場合に親和性が高く、マイクロソフト社製のIDEであるVisual Studio(ビジュアルスタジオ)が無償で提供されているため、開発環境の構築も容易です。
またC#は、デスクトップ以外にもAndroidやMacOS、iOSのアプリが開発できるXamarin(ザマリン)やUnity(ユニティ)など、利用可能なフレームワークが豊富にあるのも特徴の一つと言えます。
C#の難易度
C#は、UnityやXamarinなどのフレームワークを使用して、シンプルに書くだけであればそこまで難易度は高くありません。しかし、C#にはさまざまな機能が備わっており、その実力を発揮していくためには相応のスキルと知識が求められます。そのため難易度を中としています。
AI/機械学習をやってみたい
近年脚光を浴びているAIの設計や機械学習に触れてみたいという場合は、豊富なライブラリを持つPythonやRが良いでしょう。またエッジAIやセンサー系の開発などはC言語がおすすめです。
Python
AI/機械学習で脚光を浴びた言語です。数学的・統計学的なライブラリが非常に充実しており、例えば、ディープラーニングの世界で有名なライブラリである、TensorFlow(テンソルフロウ)やChainer(チェイナー)、Keras(ケラス)、Theano(テアノ)などはPythonのライブラリとして提供されています。また、Pandas(パンダス)やSciPy(サイパイ)、NumPy(ナムパイ)といった科学技術計算系のライブラリも充実しており、これらのライブラリを使用することで、比較的簡単にAI/機械学習の開発を始めることが可能です。
Pythonは誰が書いても同じコードになるよう設計されており、完結で可読性が高い構文構造を持っています。また、コミュニティも活発でオンライン上に公開されているサンプルコードや情報も多いため、独学でも習得しやすい言語です。
Pythonの難易度
Pythonは、シンプルに記述でき複雑な仕様があるわけでないため、プログラミング自体の難易度はそこまで高くありません。しかし、現在Pythonにとって重要となっているAI/機械学習の用途では、複数の専用ライブラリや数学的知識なども求められるため、難易度は中としています。
R
AI/機械学習関連のプログラミングで、Python以外に人気が高い言語がRです。元々学術的な数学処理を行うために開発されているため、数学的なパッケージが豊富です。Pythonと比較すると、機械学習に強いという評価が多く、機械学習で使用するライブラリも充実しています。
統計に適した解析環境の構築と視覚化に優れたグラフ機能を、言語の設計時点から意識しており、データ解析が行いやすい言語として活用されています。
Rの難易度
Rは、主な用途がAI/機械学習、統計などの分野になっていることもあり、R自体の文法を理解できても、数学的知識やAI/機械学習などの知識とスキルがなければ使いこなすことができません。こうした背景から難易度を高としています。
C言語
AI/機械学習では、データを収集するセンサーや、エッジAIと言われる、端末に組み込む形のAIの開発もあります。こうした場面では、現在もC言語が活躍しています。
C言語で開発を行うことで、処理を高速化するだけでなく使用する記憶領域も最小限に抑えることができます。センサーやエッジAIを組み込む端末にある記憶領域などのリソースは限られているため、こうした特性を持つC言語での開発が好まれています。
C言語の難易度
C言語は、メモリの管理まで自分で行うことができる自由度が高い反面、しっかり理解して開発を行わないといけないというデメリットもあります。
プログラミング以外の知識やスキルも高く求められるため、C言語の難易度は高としています。
サーバサイドシステムを開発したい
例えば、広告配信システムやチャットサービスなどのサーバ側のプログラムを作る場合、速度や並行処理、信頼性などが高いGOやRustが選択肢となります。
GO
Google社が開発したGO(golangとも表記)は、主要なOSにはほとんど対応しており、さまざまなサーバに対応できる言語です。シンプルに記述でき、学習コストが低いだけでなく、処理速度が早いため、速度を求められるサーバサイドの開発現場で使用されています。
最大の特徴は並列処理の強さです。GOでは、複数のCPUを使って処理を並列に走らせることで、処理時間を短くするプログラムを簡単に書くことができます。
GOの難易度
GOは、シンプルで学習コストが低いと言われていますが、その強みを生かすために並列処理などを理解しないといけないため、難易度を中としています。
Rust
Rustは、GOと比較して、シングルコア(計算回路が一つ)での性能を引き上げることができる言語と言われています。
近年人気が上昇中の言語で、GOと同じく速度が求められるサーバサイド開発などで採用されています。
Rustの難易度
言語仕様として、処理速度、安全性、並行性を保証していることため、プログラミングの作法が厳しく、習得難易度は高としています。
やりたいことに合わせてプログラミング言語を選ぼう!
プログラミング言語は、作りたいものをまず決めることで、あまり悩むことなく最適な言語を選ぶことが可能です。もし何を学習するべきか迷っている場合、まず何を作りたいかをしっかりイメージしてみてください。
作りたいものがイメージできたら、いかに効率良く学習するかが重要となります。現在では書籍、Web、動画等、さまざまな学習方法がありますが、効率良くモチベーションを保ちながら学習する手段として講座を利用するのもおすすめです。
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(2020年9月現在)