システムエンジニア(SE)におすすめの資格5選

公開日:2020.10.12

ITエンジニア職種
 

システムエンジニア(SE)として働くために特別な資格は要求されません。しかし資格取得の過程で学ぶことは仕事をしていく上で必須の知識となります。また資格によってスキルがあることを分かりやすく証明できるので、転職や部署移動などの際も有利に働きやすい可能性があります。専門性の高い高度な資格になると、資格取得自体が今後のキャリアを決めていくことにもつながります。

ここでは、そんなシステムエンジニアにおすすめの資格5つをご紹介します。

  1. 1.基本情報技術者試験(FE)
  2. 2.応用情報技術者試験(AP)
  3. 3.プロジェクトマネージャ試験(PM)
  4. 4.システムアーキテクト試験(SA)
  5. 5.データベーススペシャリスト試験(DB)

おすすめの資格1:基本情報技術者試験(FE)

基本情報技術者試験は、システムエンジニアとしてのキャリアを始めるのに必要な、基礎的な情報を網羅した資格です。経歴が少ない人にとっての登竜門の位置づけの資格でもあります。開発の現場で使われる言葉や、知っていて当然とされる考え方も多く含まれているので、丁寧に学習しておくことをおすすめします。

基本情報技術者試験とは

出題範囲は浅く広くなっており、ビット演算やアルゴリズムのような技術系からマネジメント、企業法務まで幅広い知識が必要となります。求められるスキルが、上位者の指導の下で提案活動やソフトウェア設計ができる程度ということもあり、論文問題は出題されません。

基本情報技術者試験の難易度

それぞれの単元の難易度はそれほど高くありません。合格用のテキストがあるのなら、そのテキストの内容を理解していれば十分です。少し経験がある方なら、過去問を解いて、分からないところのみフォローしていく形でも学習を進められます。

独学でも学習は可能ですが、企業法務に関わる部分など制度が変わっていることがあるので、最新情報には注意が必要です。

なお、合格率は令和元年度の試験で、25.7%となっています。

おすすめの資格2:応用情報技術者試験(AP)

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験を持っているレベルのシステムエンジニアが、レベルの高い業務などにステップアップするための資格として取得するのに最適です。提案や要件定義に代表される、上流工程に関わる知識も問われます。

応用情報技術者試験とは

応用情報技術者試験では、自力で戦略立案や開発を進めていく力が要求されます。プロジェクト管理とマネジメントに比重がおかれているので、プロジェクトマネージャほどではないにしろ、対外的な調整もある程度視野に入れておく必要があります。

これ以降紹介する資格「高度情報処理技術試験」が専門分野に特化したスペシャリスト系の資格であるのに対して、応用情報技術者試験では、セキュリティ、DB、ネットワークなどIT全般の知識が要求されます。高度情報処理技術試験を受ける前に、網羅的に知識を得ておくのに最適な試験です。

応用情報技術者試験の難易度

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の定義するITスキル標準(全7段階)で、スキルレベル3となっており、初学者は学習時間が500時間必要ともいわれています。年に2回受けられる試験なので、焦らずに準備の整ったところで受けるのがおすすめです。

教科書などによる必要な知識のインプットはもちろんですが、積極的に問題集や過去問を解いていくこともおすすめします。特に、ある程度経験のある方は過去問の確認に重きを置くと、学習が効率よく進みます。

独学も可能ですが範囲が広いので、学習計画はしっかり立てておきましょう。

なお、合格率は令和元年の実績で22.3%となっています。

おすすめの資格3:プロジェクトマネージャ試験(PM)

プロジェクトマネージャ試験は、システムエンジニアとして経歴を積み、次のステップとしてプロジェクトマネジメントを仕事としたい人が取得するのにおすすめの資格です。

設計などが専門であるシステムアーキテクトからは少し離れ、プロジェクト成功のために組織を回していく方法を学ぶことになります。プロジェクトはチームとして進んでいくので、責任者になると同時に下位者を指導する役割も求められます。

プロジェクトマネージャ試験とは

プロジェクトに対して全責任を持ち、意思決定を行っていく人です。プロジェクト全体計画を作成し、スケジュールを立てると同時にそこに必要な要員や資源を確保します。進捗状況に応じて、遅延やバグなどのトラブルにも柔軟に対応が必要です。

重ねてプロジェクトのステークホルダーに進捗や課題などを報告するような、プロジェクト外の調整役も担うため、システムエンジニア以上にコミュニケーション力も求められます。

きちんとシステムを作り上げることが最重要となりますが、プロジェクトを赤字にせずに予算内で収めることも考慮しなければなりません。他の資格と比べて原価などお金の感覚を要求されるのも、プロジェクトマネージャならではの部分です。

プロジェクトマネージャ試験の難易度

応用情報技術者試験から一つ上がり、スキルレベル4が要求される、IPAの資格体系では最難関の試験です。設問は技術的な分野からは少し離れ、プロジェクト計画策定やリスクマネジメントなどマネジメントの問題がほとんどです。具体的な事例に応じた記述式の回答や小論文も必要となり、独学での合格はかなり難しいとされています。

より実務に近い回答が求められるため、自分の文章を添削してくれるプロジェクトマネージャ経験者を見つけるか、資格取得を目指す学校を頼るのが確実です。

合格率は平成31年の実績で14.1%となっています。

おすすめの資格4:システムアーキテクト試験(SA)

システムエンジニアとして経歴を積んだ後、上流工程を専門としていきたい方におすすめの資格です。業務に必要なシステムの要件を定義し、開発に必要となる要素を分析・整理していくスキルが要求されます。

システムアーキテクト試験とは

システムアーキテクト試験は、システム開発の上流工程のスペシャリストであるシステムアーキテクトを目指す方のための資格です。システム化する前の要件の整理や現状業務の分析などを主に行いたい人が携わります。

後に続くプログラム開発の内容と方向性を決める重要な工程となるので、単に要件を満たすだけでなく、幅広い知識と様々なリスクを検討できるスキルが求められます。また、効率のよい開発を行うためのフレームワークやミドルウェアの知識なども求められます。

業務要件を重視するのはもちろんですが、ハードウェアやセキュリティ、本番稼働後の保守運用などまで考慮した上でプロジェクトを進めていく必要があります。

システムアーキテクト試験の難易度

システムアーキテクト試験の出題範囲は、実務で一度プロジェクトを回すと必ず通るものですが、テキストだけで勉強する場合イメージがつきにくいこともあります。実務経験がない状態での受験の場合、難易度がとても高く感じられるでしょう。

免除制度が用意されており、応用情報技術者試験または他の高度試験に合格していれば、その後2年間は午前Ⅰ試験が免除されます。先に合格している資格があれば、免除期間内に合格を目指しましょう。

なお、合格率は令和元年の実績で15.3%です。

おすすめの資格5:データベーススペシャリスト試験(DB)

データベーススペシャリスト試験は、システムエンジニアの中でもデータベース管理者やインフラ系のエンジニアを目指す方が取得する資格です。企業や組織の財産ともいえるデータを使い勝手よく、かつ安全に取り扱うための方法を考えるプロが持つ資格といえます。

データベーススペシャリスト試験とは

データベースの設計、構築、管理をはじめとするデータベースの扱いに特化した資格です。システムの性質によってデータの持ち方は大きく異なります。処理の速さを重視したシステムや、大量データを常に扱うシステムなど、データベースの性質に合わせて設計し、細かくチューニングしていく必要があります。こうした選択肢となる技術と特徴を学んでいくためにデータベーススペシャリストの資格は最適です。

業務知識全般はもちろん、業務分析のスキルも要求されるため試験水準が非常に高い資格です。

データベーススペシャリスト試験の難易度

データベーススペシャリスト試験は、システムアーキテクト試験などと同様に、IPAの資格体系で最難関とされるスキルレベル4の資格です。データベースに関する知識が網羅的に細かく要求されることに加えて、実業務に適合していくための方法の検討も求められます。

単に知識を覚えるだけでなく、実践的に使えることが求められるため、独学での合格はかなり難しいといわれます。

合格率は平成31年の実績で14.4%です。

資格勉強を通じてシステムエンジニアとしてレベルアップを目指そう!

どの資格もシステムエンジニアとして働くためには必要となる資格です。特に高度情報処理技術者試験は専門性が高く、資格取得の学習がそのまま実務へつながっていきます。反対に基本情報技術者試験は知っておくべき基本が詰まっているので、学習の足掛かりにするにはちょうど良い資格といえます。

資格取得は、実務で必要とされた部分だけ学習するのではなく、体系立てて学ぶことで網羅的にスキルアップが可能です。また試験日という期限も設定できるので学習計画が立てやすくなるのも魅力です。

資格自体が自分のスキルを証明することにもなるので、資格取得を目指しながら自分の専門性を高め、自分自身の市場価値を上げていきましょう。

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(2020年10月現在)

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