エンジニアがリモートワークで働くために必要なこととは?
公開日:2019.10.15
エンジニアの働き方エンジニアが職場以外で勤務するリモートワークに注目が集まっています。リモートワークは、自分に最適化した環境で勤務ができる、通勤時間が短縮される、生産性が向上するなど多くのメリットが挙げられる一方で、デメリットも存在します。
今回はエンジニアがリモートワークで働くために必要となる「環境」「スキル」「制度」の3つについて解説しながら、リモートワークが当たり前になっていく中で、エンジニアとして必要とされるにはどうするべきかを解説していきます。
エンジニアにはリモートワークが向いている
インフラ系エンジニアなどの設備を直接操作する必要がある一部を除き、多くのエンジニアはリモートワークに適していると言えるでしょう。分野によってはむしろ生産性の向上や効率化、コスト削減の面から、リモートワークのほうが効率のよい場合も多く、リモートワークを推進している企業も増加しています。
エンジニアがリモートワークを行うメリット
リモートワークのメリットとして、以下の3つが挙げられます。
生産性が向上する
社内で勤務する場合、デスクやチェア、パソコン、周辺機器などは会社が提供するため、基本的に自分の使いやすいものを導入することはできません。しかし、自宅やコワーキングスペースなどでリモートワークをする場合、勤務環境を自分のやりやすい方法に合わせて最適化していくことができます。また人の多いオフィスではなく、静かな環境で仕事ができるため、集中力もあがります。こうしたことから、リモートワークの導入はエンジニアの生産性を向上させます。
ストレスが低減される
リモートワークの導入によって、コミュニケーションがオンラインになることで、対人関係のストレスが低減されることも考えられます。たとえば、これまで苦手としていた人とも、最小限のオンラインコミュニケーションで仕事ができるようになります。また、通勤もなくなるため、身体的にも精神的にもストレスが低減されます。
ワークライフバランスが確立しやすくなる
往復の通勤による体力や時間の消耗がなくなる分、出勤を伴う勤務よりも自分の時間を多く持つことができます。またこれにフレックス制度などを組み合わせることができると、出勤しているときは難しかった時間帯にも自分の趣味の時間が作れるようになり、ワークライフバランスの確立がしやすくなります。
エンジニアがリモートワークを行うデメリット
一方で、リモートワークの代表的なデメリットには以下の2つが挙げられます。
生活リズムが崩れる可能性がある
特にフレックス制度がある場合に顕著なのが、生活リズムの崩れです。これは遅く始業し、遅くまで働くことで、生活リズムが崩れてしまうという場合だけではありません、たとえ、自分は早く始業しても、同じチームのメンバーが遅く始業している場合、業務時間がずれ、自分は終業しているにも関わらず依頼が飛んできて、対応を求められる場合があります。このような周囲とのズレは、積み重なると生活リズムの崩れだけでなく過労にもつながってしまいます。
こうした状況は、自助努力もさることながら、きちんとチーム内で話し合って、関係者全員が納得する形で解決していく必要があります。
孤独を感じやすい
リモートワークの問題のひとつに、同僚などとのコミュニケーションが不足して、仕事の中で孤独感を覚えるというものがあります。以前は、ちょっと息抜きに隣の同僚と話していたり、一緒にランチを食べたりすることで、おぎなっていたコミュニケーションがすべてなくなってしまうからです。
このようなデメリットを解消するため、コワーキングスペースなどの利用を補助する制度を導入したり、オンラインコミュニケーションツール上に雑談用チャットなどを設置して、頻繁に近況を確認しあう環境を用意している企業もあります。
リモートワークの時代にエンジニアが必要となるスキルとは?
ここまで紹介してきたように、リモートワークによって、今までにないメリット、デメリットが生まれるようになりました。これを踏まえて、ここからは、リモートワークが盛んになっていくであろう時代に、エンジニアはどのようなスキルが求められていくのか、について解説していきます。
オンラインコミュニケーションのスキル
リモートワークの時代に、まず重要となるのが、オンラインコミュニケーションのスキルです。リモートワークではコミュニケーション不足が問題になりますが、これを解決するためには対面でのコミュニケーションとは全く別の、オンラインコミュニケーションのスキルが必要になります。リモートワークの時代においては、オンラインにはオンラインのやりかたでコミュニケーションをとっていく必要があります。
このオンラインのコミュニケーションに一番重要なものは、チャットやメールだけで相手とコミュニケーションをとる文章能力です。適切に相手に伝えるだけでなく、相手がこの文章をみてどう思うのか、まで考えて文章を作成する必要があります。
たとえば、今までは笑顔と共に「了解」と伝えていたものも、チャットのみであれば、それが少し怒りながらの「了解」なのか区別がつきません。そのため、「了解。対応ありがとう!」のように一言付け加えることで、自分の気持ちも伝えていく必要があります。
また返信速度も重要です。チャットやメールは、自分の都合のよいときにみることができるというメリットがありますが、これが度を過ぎると、極端に返信の遅いメンバーになってしまいます。その場合、上司の視点でみると、仕事を振りにくいメンバーとなってしまいます。
常時チャットやメールに張り付いていると、それはそれで効率がよくなくなってしまいますので、適度に自分あてのメッセージを確認するといったことも重要になってきます。
自分にあった開発環境を構築するスキル
リモートワークの時代においては、与えられたパソコンとデスクで仕事をし続けることはなくなります。それは裏を返せば、自分で正しい開発環境を構築する必要があるということです。
自分の家に仕事場を作る場合、デスク、チェア、パソコンなどの配置や選定などもきちんとしなければなりません。またインターネット環境も重要です。今まで家ではパソコンは開かなかったので、回線契約をしてこなかった人などは、スマートフォンのテザリングでパソコンをインターネットにつなぐことになってしまいます。これ以外に、テレビや漫画、ゲームなどの集中を妨げるようなものに手が伸びないように、仕事をする場所の設定にも気を配る必要があります。
開発環境の構築がうまくできない場合、集中力が下がり、生産性が落ち、エンジニアとしての価値が下がってしまうことになります。そのため、自分の仕事に必要なものにはきちんと投資をして、正しい環境を構築するスキルが求められます。
自己管理能力
リモートワークの時代は、自己管理もとても重要になってきます。前述の通り、フレックス制度も合わさってくると、生活リズムが乱れたり、過労傾向の人も増えてくることが予想されます。このような状態では高い生産性を維持しながら、よい仕事に取り組むのは難しいでしょう。
この自己管理能力の中には、運動不足や栄養面の管理も含まれます。今までは通勤などで使っていた筋肉も、家で座って仕事をし続けているだけでは弱っていきます。また外に出なくてもいいように宅配の食事をとり続けるなどすることで、栄養も偏っていきます。
これからは、きちんと自己管理をしていく必要があります。これにはもちろん業務管理が含まれますが、それだけでなく、適切に休憩をとったり、運動を行ったりすることで、心身ともに健康な状態を維持する必要があります。こうした自己管理を行っていくことで、高い生産性を維持していくことが求められます。
しっかりとした技術力
今までは、難しいプログラムをコミュニケーション能力でなんとかできてしまう場面がありました。たとえば、「これはこういう設計のほうが適しています」「これはAさんのほうが向いています」など、話し合うことで難しいプログラムを作らなくても済むような場合です。
しかしリモートワークの時代においては、これも難しくなってきます。まず、こうしたコミュニケーションをとるチャンスが減ります。また仮にコミュニケーションがとれたとしても、すべてチャットやメールなどのログに残ってしまいます。さらには、そもそも対面であったことがない人が増えてきて、「Aさんのほうが向いています」といった話し方もできなくなります。
こうした状況で重要なのは、当たり前ではありますが、技術力をしっかり身に着けていくということです。リモートワークの時代においては、自分の技術力がとても重要です。依頼されたものを正しいクオリティで出すことが、エンジニアとしての自分の価値を、最も強くアピールできる方法です。
環境さえ整えばエンジニアはリモートワークでも活躍できる!
リモートワークが普及していくことで、リモートワークの時代に適したスキルが求められるようになりますが、これはエンジニアにも当てはまります。エンジニアの多くは、リモートワークに向いていますが、それは働き方という観点でみた場合に限られます。リモートワークの時代のエンジニアは、今まで通りのエンジニアと思わず、リモートワークの時代に適したスキルを身に付けていくことが求められるでしょう。
リモートワークが当たり前になりつつある中で、エンジニアとして生き残っていくために、ぜひここでご紹介した4点を意識してみてください。
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(2019年10月現在)