ネットワークエンジニアとは?仕事の内容や将来性について解説!

公開日:2019.11.15

ITエンジニア職種
 

ネットワークエンジニアとは、インターネットやイントラネットなどの、内外部と通信ができるようなネットワークを構築するエンジニアです。ネットワークの要件定義や設計を始め、構築、運用、保守など一連の業務を担当します。サーバーとサーバーや、サーバーと端末をつなぎ、快適で安定したネットワーク運用に携わります。

今回は、ネットワークエンジニアが実際にどのような業務を担当しているのか、仕事内容とその将来性について解説します。

ネットワークエンジニアの仕事内容とは?

ネットワークエンジニアの仕事は大きく分けて4つあります。

ネットワークの設計

クライアントにヒアリングを行い、要件をまとめ、ネットワークの目的と予算に合わせて必要な設計を行います。要件に応じたネットワークの構成を設計、使用する機器の種類と数の見積もり、コストの見積もり、導入スケジュールの検討などを行います。

設計をもとに以後の資材調達や機器の設置、ケーブリングなどの工事の日程が決定するため、重要な工程です。

ネットワークの構築

設計時に計画したスケジュールをもとに、実際にネットワーク機器を設置・設定する作業工程です。構築するネットワークの規模によって必要とする期間は異なり、小規模であれば1日から数日程度、多数の拠点を結ぶ大規模ネットワークの構築では数ヶ月かかるケースもあります。ネットワークの構築後、数度の運用テストを行い問題点がないか確認を行った後、ネットワークの運用を開始します。

ネットワークの運用

構築したネットワークのさまざまな運用業務です。データのバックアップやアカウントの追加・削除などの定型作業の実施、設定変更や構成変更、マニュアルのメンテナンスなども行います。

また、ネットワークに異常がないか、外部からの悪質な攻撃を受けていないかを監視する業務も運用業務に含まれます。

ネットワークの保守

ネットワーク機器のアップデートや、機器が故障した際に修復・交換を行います。また、通信が安定しない、マニュアル通りの手順で機器が復旧しない、などのトラブルが起きた際には、トラブルの原因をいち早く分析してつきとめ、必要に応じて機器の点検・交換などを行います。このように保守をしっかり行うことで、円滑なネットワークを維持しインフラの安定が維持されています。

ネットワークエンジニアに必要な知識やスキル

ネットワークエンジニアに要求される知識やスキルは、ソフトウェアからハードウェアまで多岐にわたります。そのなかでもネットワークエンジニアにとって重要な3つについてピックアップして説明します。

①TCP/IP(ティーシーピー/アイピー)(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)

インターネットで使用されているプロトコル(通信規格)であるTCPとIPを併せた言葉です。ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計、構築、運用、保守のどれを行う際も、通信の仕組みを理解している必要があるため必須の知識といえます。

またTCP/IPネットワークに接続された通信機器を監視、制御するためのプロトコルであるSNMP(エスエヌエムピー)(Simple Network Management Protocol)の知識を身につけたほうが良いでしょう。障害発生した際、どの機器が原因であるかすぐに究明し、迅速な復旧を行うために必要となる場合があります。

②ルーティング・スイッチング

ルーティング・スイッチングは、データを目的とする地点まで送信するために、ネットワーク上の送信経路を決定し、適切にデータを届けるための仕組みを指します。機器としては主にルータとスイッチがその役割を担いますが、ネットワークエンジニアはこの設定を行うことも業務の一つとなるため、ルーティング・スイッチングの設定を行うスキルも必要となります。

③インターネットの広範な知識

インフラに関わる職種であるため、インターネット上における広範な知識が求められます。DNSやWWWのようなインターネット上でサイトを正しく表示するための知識のほか、メールが送信されて配信されるまでに必要となるMTA(エムティーエー)(Mail Transfer Agent)・MUA(エムユーエー)(Mail User Agent)・MDA(エムディーエー)(Mail Delivery Agent)の知識、ファイアーウォールの構築と設定など、インターネット全般の知識が必要です。またインターネットを経由した攻撃からネットワークを保護することも、運用・保守を担うネットワークエンジニアの業務のため、セキュリティに関連した知識やスキルも必要となります。

ネットワークエンジニアに必要な資格

ここからは、ネットワークエンジニアに必要な資格にはどのようなものがあるのかみていきます。

ネットワークスペシャリスト試験

高度情報処理技術者試験に含まれる国家試験です。ネットワークエンジニアに適している資格であり、取得することでネットワークの設計、構築、運用、保守のどれに対しても高い技術を持つことが証明されます。

非常に高度な知識を要求され、合格率15.4%(出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:ネットワークスペシャリスト試験別ウィンドウで開く)という狭き門です。ネットワークエンジニアとしてキャリアを伸ばしていく場合、目標の一つとして定める人も少なくありません。

CCNA(シーシーエヌエー)(Cisco Certified Network Associate)、CCNP(シーシーエヌピー)(Cisco Certified Network Professional)

CCNAは、大手ネットワーク機器開発会社であるシスコシステムズが提供する資格の一つで、ネットワーク系のベンダー資格(国ではなく企業が主催、運営する資格)では有名な資格の一つです。ネットワークのスキルや知識の基礎を幅広く求められ、ネットワークエンジニアの基礎的な部分を網羅した資格です。

CCNAの上位にあたるCCNPは、プロフェッショナルレベルの技術者を認定するための資格です。CCNAよりさらに大規模なネットワークの設計、構築、運用、保守に携わる技術があることを証明してくれます。シスコ製品の知識や技術だけでなく、ネットワークに対する広範な基礎知識、そして、構築、トラブルシューティングなどの知識も要求されます。

CompTIA Network+(コンプティアネットワークプラス)

さまざまなIT規格の標準化を提言するため設立されたIT業界団体CompTIA(The Computing Technology Industry Association)による、ベンダーニュートラル資格(国が運営するわけではないが、特定のベンダーに依存するわけではない資格)です。

ネットワークエンジニアに必要な知識やスキル、問題解決能力、技術遂行能力が評価されます。取得することによって、ITネットワーク関連業務に9ヶ月~12ヶ月程度経験した際に持つべきスキルを有することが証明されるため、ネットワークエンジニアを目指す人はまずこの資格の取得を目標とするのもおすすめです。

クラウドの普及でネットワークエンジニアという職種にも変化が?

ネットワークエンジニアの求人別ウィンドウで開くはAKKODiSの派遣・紹介予定派遣でも募集数が多く、時給4,000円に達する高報酬な案件もあり、業界全体での需要自体は高い傾向にあります。インターネットなどのネットワークなくして企業活動が難しい現代において、ネットワークの高度な知識を有したネットワークエンジニアへの需要は、今後も高い状況が続くと考えられます。

ただし、SaaS(サーズまたはサース)(Software as a Service)やPaaS(パースまたはパーズ)(Platform as a Service)といったクラウドサービスの普及もあいまって、徐々に今まで通りのネットワークに関するスキルだけではクライアントの需要に応えきれないケースが出てきています。

ネットワークエンジニアとしてより安定したキャリアアップを目指すなら、従来のネットワーク技術に加えて、クラウドサービスの知識やスキルを増強していく必要があるでしょう。

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(2019年11月現在)

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