- 「キャリア」とは一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念である。
- 「キャリア」は職業経験によって、「職業能力」を蓄積していく過程の概念とも言える。
キャリアとは?転職市場やIT、エンジニア業界におけるキャリアについて知ろう!
公開日:2019.07.09
エンジニアの働き方「キャリアアップを図りましょう」「キャリアを積むことが大切です」という言葉を耳にしたことはありませんか?「キャリア」とはどのような意味でしょうか。また、キャリアアップを目指す、とはどのような行動を指すのでしょうか?
キャリアとは
はじめに、キャリアの定義や意味について解説します。
キャリアの定義
厚生労働省や文部科学省では、キャリアを次のように定義しています。
厚生労働省が提唱しているキャリアの定義
(「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書より一部引用)
文部科学省が提唱しているキャリアの定義
- 人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが、「キャリア」の意味するところである。
(「キャリア教育とは何か」より一部引用)
厚生労働省と文部科学省でそれぞれ表現の違いはありますが、共通している点は、キャリアが「仕事の継続的な過程や生き方の積み重ね」を指しているということです。また、「キャリアを重ねる」というのは「仕事をする過程で習得するスキルやプライベートも含めた人間性を磨いていくこと」といえます。
それでは、1.経験やスキル2.経歴 3.生き方や働き方についての自身の考え方の3つに分けて、キャリアとは何か、さらに細かく見てみましょう。
- 1.経験やスキルなどは、キャリアを考えるうえでの基本
例えば、10年間、プログラマとしてWebサイト制作に関わってきた人は、数々のWebサイト制作に携わってきたという経験の中で、プログラマという職種ならではの技術を磨きました。この実務経験そのものがキャリアであるといえます。転職を希望する際の採用面接では、この、その人自身に培われた「実務経験とそれに伴う知識・スキル」を評価されるケースがほとんどです。
- 2.転職回数や働いた年数などの経歴も、キャリアを考えるうえで重要
また、転職市場では、「経歴」もその人のキャリアを考えるうえで重要です。経歴とは、「転職回数は何回か」「どの会社で何年働いてきたか」「どんな職種(業種)で働いてきたか」という情報のこと。面接時に経歴を提示することによって、採用する企業側は、その人がこれまでどのようなスキルを身に着けてきたのかだけでなく、どのような役割でどのように会社に貢献してきたか、を推察することができます。さらに、経歴によってその人自身の「働き方」に対する考え方を読み解くこともできます。
- 3.生き方や働き方に対する自分の考え方もキャリアである
仕事で身に付ける経験・スキル、経歴に加えて、プライベートも含めた自分の「生き方」や「働き方」も自分のキャリアのひとつ。例えば、フリーランスや非営利活動に参加するパラレルキャリア(報酬を得ることを目的にしない本業以外の仕事)など必ずしも会社に所属した働き方だけでなく、社会との関係性の中で構築される自身の「役割」といえます。また、結婚や出産、介護なども、自分のキャリアとは何かを考えるうえで欠かせません。
自分のキャリアを考えるうえで大切なこと
- 1.専門家に相談し、自分のキャリアを客観的に知る
キャリア、とくに職業について考える場合は、転職コンサルタントなどの専門家に聞いてみることが重要です。自分自身が転職市場でどこのような立ち位置にいるのか客観的に指南してもらうことで、自分のスキルや経験、経歴を振り返る機会が得られます。
- 2.5年後のビジョンを考えてみる
例えば、5年後に「今とは違う上流工程の職種に就いていたい」というビジョンをイメージした場合は、次のことを考える必要があります。
- 5年後に就いている職種には、どのようなスキルや資格、経験が必要か
- 今の自分に不足しているスキルや資格がないか
- 5年間、どのような職種や業界で仕事の経験を積んでおく必要があるか
- 働き方を変えたり、人脈を作ったり、ライフスタイルを変える必要があるか
ビジョンをふくらませて、それを実現するのに必要なことは何かを書き出していきましょう。こうして期間設定を行って考えていけば、いつまでに何をすれば良いのか明確になっていきます。
IT・エンジニア業界でのキャリアアップを考えるポイント
キャリア、とは何か理解したうえで、次に「キャリアアップ」について考えてみましょう。キャリアアップとはスキルアップをベースに自身のなりたい姿をめざし、経歴を磨くこと。最近ではキャリアアップは「勤めている会社や就業先を辞め、新しい仕事に就く」という「転職」に近いニュアンスで使われるようになりました。今より高いポジションに就きたい、収入をアップさせたい、待遇を良くしたい、という理由で転職活動をする方も多いでしょう。
それでは、IT・エンジニア業界でキャリアアップを図るにはどんなことを考えればよいでしょうか?
目指すのはスペシャリスト?それともゼネラリスト?
スペシャリストになるのかゼネラリストになるのかは、キャリアプランを描く上で必要なスキルや経験が大きく異なります。スペシャリストは、特定の専門分野について技術スキルと経験を持っている人材のこと。専門的な職種での業務を担当します。一方、ゼネラリストは、広い範囲の技術知識や業務知識を持つ人材のことです。多方面に知見があるため、プロジェクト全体を見渡してマネジメントすることが必要です。
スペシャリストを目指すには日々トレンドをキャッチアップすることが必要です。日々刻々とスピーディにトレンドの変化があるIT・エンジニア業界では、その変化についていけるかどうか、学び続ける意欲をたもてるかどうか、がスペシャリストで活躍し続けるための鍵となります。
一方、IT・エンジニア職種は人材不足が深刻。そのため、未経験や完璧なスキルを要していなくても採用されるケースが多く、現場では経験如を問わず、アウトプットを求められます。そこで、マネージャー職であるゼネラリストに求められるのは、メンバーの経験者の養成。またチームメンバーのモチベーションを引き上げることも大切です。
極めたいのはシステム系か?それともインフラ系か
また、IT系エンジニアは、大きく分けてシステム系のエンジニアとインフラ系のエンジニアに分かれます。
システム系のエンジニアは、プログラミングによってシステムを構築します。一方のインフラ系のエンジニアは、サーバーやネットワークの構築など、システムが動作するための基盤を取り扱います。両方のスキルを備えた「フルスタックエンジニア」と呼ばれるスーパーマンのような存在もいますが、日々進歩するIT分野において、すべてをキャッチアップするのはかなりの努力が必要です。エンジニアを目指す場合、まずは、システム系とインフラ系どちらの方向性に進みたいのか定めましょう。
職種をチェンジして、自分の描く理想像に近づこう
ほかの業界もそうであるように、いきなりマネージャーやコンサルタントになるのは高いハードルがあります。IT・エンジニア系制作のプロジェクトは、工程が細かく、役割に応じて必要なスキルや覚えておかなくてはならない言語も異なります。そのため、未経験からIT・エンジニア職種を目指す場合、最終的に目指したい職種は何か?を考えて、現在身に着けるべきスキルは何か、そのスキルを身に着けることができる職種は何か?を考えてから転職活動をしたり、仕事に応募するのがよいでしょう。
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プロジェクトマネージャーを目標とした場合のキャリアステップ
- 1.プログラマ(PG)
- 2.システムエンジニア(SE)
- 3.プロジェクトリーダー(PL)
- 4.プロジェクトマネージャー(PM)
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インフラエンジニア職種のキャリアステップ例
- 1.インフラエンジニア(アシスタント)
- 2.サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、データベースエンジニアに必要なスキルを習得
- 3.専門領域のスペシャリストとして技術を究める
- 4.プロジェクトリーダー(ゼネラリストへ転換)
- 5.プロジェクトマネージャー(PM)やITコンサルタント
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Webサイト制作職種のキャリアステップ例
- 1.WebデザイナーやWebコーダー、Webコンテンツ編集・ライター
- 2.制作スタッフとしての経験を積み、得意領域を広げる
- 3.Webディレクター
- 4.Webプロデューサー(スペシャリスト)
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機械設計職種のキャリアステップ例
- 1.専門学校やスクール、大学で工学系の基礎知識を学ぶ
- 2.先輩設計者のもとOJT形式などで設計を担当し、実務に合わせてスキルを習得する
- 3.製品全体の設計を担当する
- 4.ベテラン設計者となる (スペシャリスト)
- 5.プロダクトマネージャーとして製品の開発・製造を統括する (ゼネラリストへ転換)
ビジョンを明確にし、理想のキャリアを実現しよう
キャリアは長い人生をかけて自分自身が積み重ねていくものです。また、理想のキャリアアップを実現するために、日々スキルアップの努力も欠かせません。
AKKODiSでは、登録型派遣(有期雇用派遣)・紹介予定派遣・エンジニア正社員(無期雇用派遣)・フリーランスなど、様々な雇用形態を用意しています。
自分のキャリアを深く考えたことがない、という方でも問題ありません。これからのキャリアについて、AKKODiSに相談して自分のキャリアを拓いてみませんか?
(2019年7月現在)