二酸化炭素の削減へ「Scope3」に取り組み国際認証を取得。AIアプリでプロジェクト成功にかける熱い思い。

 

#プロジェクト #サステナビリティ #温室効果ガス排出削減 #Ecommute

AKKODiSコンサルティング(以下、AKKODiS)にはエンジニアとしてのスキルと経験を生かし、日本の課題解決に積極的にアプローチをする社員が数多く在籍しています。今回は、AKKODiS社員の通勤移動に伴う二酸化炭素の排出量の可視化に取り組む社員に、この活動の経緯と想いについて話を聞きました。

社員の移動における二酸化炭素排出量の計測プロジェクトを始動。

大学卒業後、ニューヨークで4年ほどカレッジに留学しました。帰国後は、アメリカのピラティススタジオの日本法人に入社し、直営店舗の店長をしていました。
店舗の運営やクラスの質の向上など店長業務を通して、心と体の健康を改善するためにお客様に向き合ってきました。
充実した活動をし続けるなか、包括的に会社の動きを知りたいと思うようになり、2022年8月にAKKODiS(旧Modis)に入社しました。

現在は、経営会議や戦略討議の運営事務局を担当するほか、コミュニケーションツールを全社に導入したりなど、会社全体のオペレーションに関わる仕事をしています。
そのなかでも力を入れているのが、私たちが「Ecommute」と名付けた社員の通勤移動に伴う二酸化炭素の排出量を削減する取り組みです。
Adecco グループは2030年までの「脱炭素」宣言を発表し、2018年の実質排出量に対して最低50%を削減したうえでオフセットを行うことを目指しています。グループの一員であるAKKODiSも、温室効果ガス排出削減に向けた「Scope3」領域への新たな取り組みを開始し※1 、社員が通勤や移動による二酸化炭素排出量のより正確な把握と削減に挑戦することになりました。
そのために、社員の移動を計測する必要があります。その指標を出すためにIT企業として先陣を切って、AIを駆使したアプリTRAM(トラム)を導入することになり、私がその担当となりました。

TRAMはMITのスタートアップTRAM社が開発したアプリです。AIで個人の移動に伴う二酸化炭素排出量を測定、監査、計測をすることができます。スマートフォンのセンサーを利用して移動手段を自動認知し、二酸化炭素の排出量を即時に通知します。
「Carbon Performance Certificate(カーボンパフォーマンス証明書)」というEUの国際認証機関認証を取得することが最初の目標でした。TRAMの測定方法に基づき、初回ダウンロードした278人以上の二酸化炭素の排出量を3ヵ月計測する必要がありました。
このEcommuteプロジェクトを始めるにあたり、社内から30名のアンバサダーを選出しました。皆さん、経営会議参加者の本部長に選任された方たちです。このアンバサダーたちが各部署の社員にアプリのダウンロードを促してくれました。そのおかげで、初回で400人近くの社員がアプリをダウンロードし、2024年6月にカーボンパフォーマンス証明書を取得することができました。

現在は、次回の認証獲得のために引き続き二酸化炭素の排出量を1年間継続して計測し続けています。

※1 温室効果ガス排出削減に向けたScope3領域への取り組みを開始
MIT発、移動に伴う二酸化炭素排出量を計測するAIアプリを導入別ウィンドウで開く

「Carbon Performance Certificate」の認定証

アプリの不具合改善にも貢献。プロジェクトの規模を拡大し、会社の信頼を高めたい。

目標より多くの社員にアプリをダウンロードしてもらいましたが、導入初期は充電の減りが早いなどネガティブな意見がたくさん来ました。
特に営業担当社員は、東京から名古屋、名古屋から大阪など移動が多く、アプリが移動を検知してスマートフォンのバッテリーを大量消費していました。
これはTRAM社のエンジニアに改善してもらって解消したのですが、私達もユーザーの声を集めてアプリの改善に貢献している自信につながりました。
今はこのTRAM社とオンラインで毎週定例ミーティングを行い、計測結果やアプリの改善などについてコミュニケーションを図っています。

アプリは二酸化炭素の排出量が自動的に計測され、あなたは今日何点ですとスコア出ます。通知をオフにすることができるので、ダウンロード後はその存在を意識していない人もいれば、万歩計代わりに毎日どれだけ歩いたか、さらにはどれぐらい二酸化炭素を排出していたのか調べることを楽しんでいる社員もいます。
電車や自転車など移動手段がわかるのはもちろん、自動車の場合EVかガソリン車なのか自動で検知するのですごい能力を持っているアプリだと思います。

AKKODiSには、全国にエンジニアの社員が在籍しています。そのため、通勤の移動手段は電車だけではなく、自動車やバスなどさまざまなので、計測データの厚みの幅はかなり広がります。名古屋圏の通勤手段は自動車が多いということもわかったのは、私たちにとっても大きなメリットでした。
社員にとっても、例えば通勤中の徒歩移動の距離を増やすと二酸化炭素の排出量が減ることが一目でわかるのもおもしろいと思います。

AKKODiSはリモート勤務を推奨しているので、通勤による二酸化炭素の排出量が少ない働き方ができる会社でもあります。もちろん、お客様先に常駐しているエンジニアも多数いるので、これが会社として二酸化炭素の排出量がどういう状況かを知りたいので、アプリ利用者をもっと増やしていきたいです。
今後は、アプリを利用する社員を1000人程度まで増やし、最終的には2500人を目標にしつつ、その人たちへのインセンティブとして何かポイントがたまるような仕掛けも考えています。通勤などの移動で二酸化炭素の排出量を減らした社員にポイントを付与される仕組みを作り、ポイントが貯まるとスタバカードと交換できるようにしたいです。
頑張って歩いて貯めたポイントでコーヒー飲めたら、アプリの活用法としておもしろいかもしれません。

社員の歩く機会が増えれば、健康的な生活への促進にもつながりそうです。アプリを使っている社員がインセンティブの楽しみを積み重ねた結果、社員の通勤移動における二酸化炭素の排出量削減を実現し、お取引先のお客様のサステナブル調達に協力できる会社だと証明できるようになります。
入社時研修でもこのアプリをご紹介しますので、これから入社される皆さんにも期待していただきたいと思っています。

アンバサダーが語る環境課題と企業活動への思い。

写真左よりEcommuteプロジェクトのアンバサダーを務める中本、石川、明主

アンバサダーを代表して社員3名にEcommute活動についての思いを聞きました。

――なぜアンバサダーになろうと思いましたか?

明主:前職も外資系の企業で、環境や多様性に対する意識が高い環境で働いてきました。ここで得た知識をAKKODiSでも伝えたいと思ったのがきっかけです。所属チームのメンバーは仲が良く、すぐ試しにやってみましょうとなりました

石川:僕はこれまでネパールで農業を教えていました。そのため、国際協力を通してずっと社会問題は常に興味に関心があります。アンバサダーは当然やるべき活動だと思って参加しました。

中本: SDGs×ブロックチェーンをされているお客様の事業に関心を寄せていた頃に、アンバサダーについて声をかけてもらいました。前職で電気自動車の開発から生産技術やっていたので、これも何か縁だなと。学生の頃からガソリン車に乗り続けてきたので、この活動で社会に貢献したいと思いました。


――アプリ実際に使われてみて、どのような意識の変化がありましたか?

石川:アプリのアイコンをスマホのトップ画面に置いているので、これを見たら歩こうという意識になりました。リモートワークをしているので、通勤での移動はないのですが、日常生活の移動で二酸化炭素の排出を減らそうって思うようにしようと思って。副次的にその歩こうと思うことで、何か普通に運動習慣がつきましたね。

中本:大学でエネルギーについて学ぶ娘から「パパは電気自動車を作っていたけど、今はどんなことで世の中に貢献しているの?」と言われて、冷や汗をかいたことがありました。なので、アプリを見せて、「二酸化炭素の排出量削減に貢献しますよ」と言っています。娘の意識はすごく高くて、僕が車で駅まで行こうとしたら自転車で行きなよと言われています。アプリだけじゃなく、娘たちからも圧を感じています(笑)。


――企業としての環境問題の取り組みに関してどのように考えていますか?

明主:環境負荷が低い移動手段を選んで、環境に対する取り組みに自分が賛同している意思表示ができるのがいいですね。

社員が1万人規模の会社で、一丸になってやれば社会の影響は大きなものになるとは思っています。持続可能な経済活動についてマインドセットを持つ多くの社員が、お客様とコミュニケーションをすること自体が社会的に大きなインパクトになると思います。

石川:世界的に見てもゼロカーボン運動は進んでいるし、僕の住んでいる自治体もゼロカーボンシティを掲げています。社会としても必要なミッションステートメントなのでで、AKKODiSが率先して取り組むっていうのは、すごく意味があることだと思います。

中本:SDGsウォッシュっていう言葉があるように、上辺だけでやった気になっているケースもあります。SDGsに関する改善活動を実施した場合、そのステータスを上げていくためにブロックチェーンを組もうとして、これを内製できたらもっと面白いのではないかと思っています。また、SDGsに貢献している人へ人事評価でもインセンティブがつくとさらに訴求価値が大きいのではないかと勝手に思っています。


PROFILE

千田
オペレーションマネジメント本部 オペレーションマネジメント部
オペレーションマネジメントグループ

2022年8月にAKKODiS(旧Modis)に中途入社。経営会議や戦略討議の運営事務局を担当する他、コミュニケーションツールの全社導入にも関わる。

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