モデルからエンジニア職へ。Microsoft Power Platformで業務効率化に挑む。

 

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AKKODiSコンサルティング(以下、AKKODiS)には未経験からエンジニア職にキャリアチェンジした社員が数多く在籍しています。その経歴も十人十色。今回は元ファッションモデルという異色の経歴を持ち、未経験から研修を経て、ハードウェアエンジニアとして電気自動車やハイブリッド車に使用される電池を管理するシステムに携わり、コロナ禍で変化した職場の環境に合わせた業務効率化に取り組み、現在はMicrosoft Power Platformを活用したDX推進を行うエバンジェリストにその道のりを聞きました。

ファッションモデルとして活躍後、エンジニア職を目指してAKKODiSへ。

私は、2017年に未経験でテックコンサルタント※としてAKKODiSに中途入社し、技術研修後、お客様先でBMS(電気自動車やハイブリッド車に使用される電池を管理するシステム)の設計サポートの業務に従事しました。

実は、最初からエンジニア職を目指していたわけではありません。「モデルにならないか」と東京でスカウトされて、大学時代にはファッションモデルをしていました。
新しい世界に挑戦することに面白さを感じ、ウォーキングやポージングなどのレッスンを受け、ファッションショーに出演するようになりました。モデルとしての仕事は順調でしたが、この業界で長く活躍するのは難しく、キャリアチェンジすることを決意しました。

大学で電気工学を学んでいたため、エンジニアリングや基板開発ができる企業を探し、ハードウェア分野のエンジニア職を目指しました。エンジニア職はインフラやシステム構築などさまざまな分野がありますが、私はプログラミングよりも物を作る方が好きだったこともあり、ハードウェアの分野を選びました。
エンジニア職は未経験でしたが、AKKODiS(当時の社名はVSN)は未経験者でも充実した研修とサポート体制が整っていたため、安心して入社することができました。また、客先で業務をする職種の多くは決められた業務だけを行うのが一般的ですが、AKKODiSでは技術の提供だけではなく、テックコンサルタント自身が現場で見つけた課題を積極的に解決ていくという方針があり、お客様への課題解決提案ができるという活動内容にとても魅力を感じました。

※AKKODiSではエンジニアの呼称をテックコンサルタントとしています。

技術研修では内容が理解できずに何度も辞めようと思った。

入社後、天王洲にあるトレーニングセンターでの研修が始まりましたが、初歩的な部分ですらほとんど理解できず、何度も辞めようと思いました。「これでやっていけるのだろうか」という不安が常に頭を離れず、現場での業務に自信もありませんでした。
研修中は自信を持てないまま、「お客様に迷惑をかけてしまう」と思いながら、最初の業務打ち合わせの日を迎えました。未経験ではあったものの、お客様が私の成長に期待してくださり、配属先が決まりました。
配属して数カ月は、お客様先では話している内容が呪文のように聞こえ、全く理解できませんでした。自分で調べても分からないことが多く、その度に職場の先輩やお客様先の担当者に助けを求めました。周りの方は丁寧に教えてくれましたが、一人で仕事ができないという状況は正直辛かったです。
周囲のサポートで一人でも仕事が回せるようになり、その頃からようやく自信を持てるようになりました。

コロナ禍で見つけた新たなキャリアパスと業務効率化への挑戦。

「Japan Power Platform Conference 2023」での登壇の様子。

入社から3年が経過しお客様との信頼関係も築けてきた頃、新型コロナウイルスの影響により業務環境が一変し、これまでとは違った働き方が必要となりましたが、この環境の変化で現在の業務も繋がる新たなキャリアパスを見つけました。それは、Microsoft Power Platformを活用した業務効率化です。

コロナ禍となりお客様先でも出社からリモートワークの切り替えが進みました。勤怠管理はTeamsのチャットなどで行っていましたが、稼働状況が以前より見えにくくなり、履歴を追うのも手間がかかっていました。そこでMicrosoft Power PlatformのPower Appsを使い、勤怠連絡がスムーズに行えるアプリを開発し、導入しました。小さな開発ではありましたが、日々の勤怠管理は格段に楽になりました。
開発したツールは多くの方に高く評価していただいたことで、このような業務効率化にもっと携わっていきたいと思うようになりました。

それから2年後、「社内公募」でデジタルテクノロジーを推進する部署がDXを推進する人財を募集していることを知り、自分のやりたいことにぴったりだと思い、ハードウェアエンジニアからのキャリアチェンジを決意し、応募することにしました。
「社内公募」は、各部署が必要な人財の要件を社内で公開し、社内の応募者の中から登用する制度です。AKKODiSでは、「自分の将来(なりたい自分)は自分で考えるもの」という文化が根付いており、「社内公募」を通じて社員の働きがいを高めています。
私も手ごたえを感じつつあった業務効率化に携われる環境下で、さらなるキャリアップを目指していきたいという気持ちが強くありました。

選考を通過し、デジタルテクノロジーを推進する部署に異動するとすぐにAKKODiS社内改善を担当することになりました。社内では、派遣社員の稼働時間を毎回手作業で記入しており、処理作業に3~4日(約20時間)掛かっていました。そこで、Microsoft Power PlatformのPower Automateを使って作業の自動化を提案した結果、処理時間を20時間から6時間程度に短縮することができました。
さらに、当社の営業推進部の担当者と共に商談に参加し、ITアセスメントを使って社員のITスキルレベルのチェックやITスキルを補うための研修、必要なスキルを直接教える伴走型サービスの提案、さらに展示会でデモンストレーションを行うなど、社外に当社のDX支援サービスを広める活動にも積極的に参加しました。

異動してからわずか3~4カ月ですが、テックコンサルタントでは経験できない多くの業務に携わることができました。特に印象的だったことは、昨年12月にMicrosoftコミュニティイベント「Japan Power Platform Conference 2023 」で登壇者としてこれまでの実績を発表する機会に恵まれたことです。
私は「Power Appsで業務改善~手書きからダッシュボードへ~」というテーマで、Microsoft Power Platformを使った業務プロセスの効率化と業務改善、データ処理の自動化などの事例を紹介しました。この登壇は、私のキャリアパスに大きな影響を与えてくれる出来事となりました。

市民開発者を育成する社内コミュニティを運営し、DXを推進。

2022年12月に経済産業省と経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)から「DXリテラシー標準」別ウィンドウで開くと、「デジタルスキル標準(DSS)」別ウィンドウで開くが公表されました。
前者はDXに関して全てのビジネスパーソンが身に付けるべき知識・スキルを定義したもので、後者はDXを推進する人材類型の役割(ロール)や習得すべきスキルを定義した「DX推進スキル標準」で構成されています。
さらに、翌23年には生成AIの登場や進化によって、改訂版(ver.1.1)も発表されました。

当社も、日本マイクロソフト株式会社とDX推進で必要となるデジタル人財の育成に向けた協業を開始しています。このような背景とこれまでの活動もあり、私はデジタルテクノロジーを推進する部署から、Microsoft Power Platformを使ったソリューションを提供する部署へ異動することになりました。

異動先で最初に取り組んだ業務は、「AKKODiS Power Community」という社内コミュニティの運営です。Microsoft Power Platformを活用して業務変革をする市民開発者を増やしていくためです。
市民開発者とは、情報システム部門に依存せずに自律的な業務改革とデジタル化を推進できる開発者を指します。IT技術者である必要はありません。IT人財不足が深刻化しているため、DX推進に不可欠な業務アプリ開発や業務フロー自動化のための人的リソース確保が難しい状況です。この状況を解決する強力な選択肢のひとつが、市民開発者+Microsoft Power Platformの活用と当社では考えています。

私はDX戦略に基づいた人財育成と技術支援を行うため、現在もコミュニティの運営メンバーとして活動をしています。直近では、「AKKODiS Power Monthly」と題し、月に1回、Microsoft Power Platformに関わるエキスパートを招待し、ツールを活用した社内業務効率化やキャリア形成、生成AI(Copilot)を活用した開発デモのセッションについての講演会をハイブリッドで開催しています。

参加者は社内外を含めて毎回100名程度が集まり、講演会では社内でMicrosoft Power Platformを活用している社員にも登壇者として活用事例を紹介してもらっています。人前での発表は普段の業務とは異なる緊張感がありますが、これまでの業務を振り返り体系的に整理することにより、次の改善やスキルアップにも繋がるよい機会になると思います。
私もMicrosoft Power Platformを活用したハンズオンセッションを行いましたが、参加者たちの反応を直接感じることができると、モチベーションにも繋がりますし、質問内容はこれからの活動にとても役立ちます。

キャリアチェンジ経験を活かして、さらなるスキルアップを目指す。

モデルからハードウェアエンジニアへキャリアチェンジしてから、業務効率化のDX推進、技術サポート、人財育成と、自分でも想像していなかったキャリアパスを歩んでいますが、振り返ってもこの道を選んで良かったと思っています。

どの部署でも知識の豊富な先輩や上司に恵まれ、新しい技術に触れ、それを教え伝えていくことで、成長を実感しています。現在はMicrosoft Power Platformを活用したDX推進担当のエバンジェリストとして活動していけるようになりました。将来的には経営に関わる業務が行える人財になりたいと思っています。

世界では生成AIを活用したサービスが次々と誕生し、自然言語処理技術は驚くほどの速さで進歩しています。DX、デジタル人財、リスキリングなど、スキルセットのための学びは重要性を増すばかりです。
けれど「もう若くないから新しいスキルを習得するのは……」と不安を吐露する方もいます。実際に現場で指導している立場だからこそ強くお伝えしますが、新しいデジタルツールを学ぶことに年齢は全く関係ありません。まずは触れて欲しいです。遊び感覚で構いません。最先端のツールは想像以上に簡単にいろいろなことができるので、デジタルが苦手な人こそ、その簡易さや便利さに驚くと思います。
私もこれからも最先端技術に常にアンテナを張りながら新しい知識を身に付け、デジタル環境の醸成と人財育成の2つの側面からDX推進のサポートをしていきたいと考えています。

PROFILE

畠山
ソリューション統括 ソリューション事業本部
Partner Allianceグループ

学生時代にファッションモデルにスカウトされ数々のファッションショーに出演。2017年、ハードウェアエンジニアとしてAKKODiSコンサルティング株式会社へ入社。自動車部品メーカーにてBMS(電気自動車やハイブリッド車に使用される電池を管理するシステム)の設計をサポートに従事。コロナ禍で業務環境が変化したことに合わせMicrosoft Power Platformを用いて、お客様先の勤怠管理システムを開発し、以降Microsoft Power Platformを活用した業務改善、講師、イベント登壇などを行う。現在、Microsoft Power Platformの推進、技術サポート、技術者育成を担当。今年の1月に「AKKODiS Power Community」というMicrosoft Power Platformの社内技術コミュニティの立ち上げに参画。現在はDXを推進するエバンジェリストとして活動している。

  • インタビュー内容、所属は取材当時のものです。
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