【初心者向け】RPAとはどういうもの?メリットや事例までわかりやすく紹介
公開日:2019.11.26
スキルアップ昨今、「RPA」という単語をよく耳にするようになりました。RPAとは一体どういうもので、どのようことができるのでしょうか。
この記事では、RPAが普及した背景、メリット、事例などを説明します。初心者にもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそもRPAとは?
RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)の略で、ロボットによって業務を自動化できるシステムです。操作画面上で仕事の流れを一度登録すればロボットがその業務を代行してくれるため、一定のルールにしたがって繰り返し行うような業務との相性がよいといわれています。
そのため、主に事務作業に従事するホワイトカラーの間接業務の自動化に活用されています。
RPAが普及した背景
RPAが普及したのはなぜなのでしょうか。その背景について見ていきましょう。
労働人口が減少しているため
少子高齢化によって人材確保が難しくなり、人手が足りない部分をカバーする目的でRPAの導入が行われるようになりました。また、働き方改革により長時間労働や休日出勤などを減らすなど、業務効率化のために活用されています。
ブルーカラーが生産向上したため
工場などで肉体労働を行うブルーカラー業務が自動化され、生産性が向上したこともRPA普及の要因のひとつです。ブルーカラー業務が自動化できるのであれば、ホワイトカラー業務も可能ではないかと考えられるようになったからです。IT技術が発達したこともあり、現在はホワイトカラー業務の自動化にも対応できるようになっています。
プログラミングの必要がないため
RPAは高度なプログラミングが不要で、専門知識がなくても操作が可能です。そのため、RPAを操作するための専門スタッフを雇用するコストがかからず、既存スタッフへの時間をかけた教育も不要となっています。導入しやすく、運用しやすいことも、RPA普及の要因といえるでしょう。
費用対効果がわかりやすいため
昨今では、業務の自動化に向けて、RPAだけでなくAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット/Internet of Things)の開発が進んでいます。AIやIoTに比べ、費用対効果の良し悪しを判断しやすいのがRPAといわれています。企業にとって投資対効果(ROI)が高いことはメリットになるため、RPAが選ばれていると考えられます。
RPAはAIとはどう違う?
業務の自動化を行うシステムとして、RPAとAIの違いを説明します。AIは、人間と同じような分析能力を持たせたシステムであるのに対して、RPAはルーチンワークを効率化するためのシステムです。つまり、AIは業務の完全自動化が目指せますが、RPAは人とロボットが分担して、主に単純作業を行うものであるという違いがあります。
Excelのマクロ機能とはどう違う?
事務的な業務を自動化するツールといえば、Excelのマクロ機能があります。しかし、Excelのマクロ機能が自動化できる範囲は、ExcelやOfficeドキュメント内に限られます。それに対して、RPAはデータ入力や自動計算、ファイル名の変更、関係者へのメール送信など、Excelのマクロ機能よりも幅広い範囲の業務自動化が可能です。
産業用ロボットとはどう違う?
産業用ロボットもRPAも生産性の向上を目指すものですが、作業内容が異なります。産業用ロボットは、ブルーカラー業務を自動化するために開発されたもので、人の手足の代わりとなって動きます。これに対してRPAは、デスクワークを行うホワイトカラーの業務を代行し、事務作業などを自動化するシステムです。
SaaSとはどう違う?
SaaS(Software as a Service)はサーバー上にあるソフトウェアから必要な機能を借りて利用するクラウド型のツールです。RPAはオンプレミス型なため、PCなどにインストールして使う点が異なります。また、RPAはカスタマイズなどの柔軟性が高く、比較的広い範囲の業務をカバーしてくれますが、SaaSは柔軟性がそこまで高くなく、特定の業務に特化したシステムとなっています。
RPAの仕組みとは?
RPAは「シナリオ」に基づいて業務を遂行してくれるツールです。シナリオとは、人がRPAで自動化したい業務をまとめたものを指します。RPAで業務を自動化する前提として、「シナリオ化」する作業が必要になり、シナリオの質がRPAの作業品質に影響します。そのため、シナリオ化する前に作業手順を細かく正確にまとめることが必要になります。
また、シナリオはRPAが理解できるよう、プログラミングと同じようなコードを使って書かなければなりません。そのため、RPAを利用するには、基本的にはある程度のプログラミングの知識と技術が求められます。
しかし、RPAツールの中には人が実際に行った操作を認識して自動化してくれるものもあるので、プログラミングの知識がなくても利用できる場合もあります。いずれにせよ、RPAを導入するだけで、業務の自動化ができるわけではないことには注意が必要です。
RPAで可能になることとは?
RPAの活用で得られる効果はなんでしょうか。ここでは、RPAが可能にしてくれることを解説します。
業務の効率化と品質の向上
RPAはロボットであるため休憩の必要がなく、同じスピードで一定品質を保ったまま業務の遂行が可能です。そのため、安定して業務効率化や品質向上が図れます。また、RPAに仕事を任せられる分、人は難しい業務に集中することができます。結果的に人が行う業務の質も上がるでしょう。
人的なミスの防止
どんなに慣れていても、人が業務を行えばミスが発生します。しかし、RPAはシナリオにしたがってミスなく質の高い作業が行えます。RPAの導入が、人的ミスの防止にもつながるでしょう。
人件費などのコスト削減
RPAによって業務が自動化されれば、今までよりも少ない人員で業務をまわすことが可能です。そのため、業務過多で人手が足りない場合も、新しく人を雇う必要がなく、なおかつ残業を減らせます。RPAを導入することで、人件費などのコストを削減できるでしょう。
他の複雑な業務に時間を割くことができる
今まで人が行っていたルーチンワークなどをRPAで自動化できれば、その分の時間や手が空きます。この空いた時間を、人間にしかできない複雑な業務に割くことが可能になります。生産性の向上も見込めるでしょう。
RPAの活用を成功させるポイントとは?
RPAをうまく使いこなすためにはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、RPAの活用を成功させるためのポイントを解説します。
自動化のニーズを洗い出す
RPAの導入を検討する段階で、現場にどのようなニーズがあり、どのような業務を自動化したいのかを洗い出すことが大切です。また、RPAを導入することで何ができるのか、どのような状態を実現できるのかを把握しておかなくてはなりません。
AIのように高度な処理ができると思って導入するともの足りなさを感じてしまいますし、反対に必要以上の機能が付いたRPAツールを選んでしまうと操作が複雑になってしまう可能性もあります。現場に適したRPAツールを導入できるよう、ニーズの洗い出しをしっかり行いましょう。
意思決定者、現場担当者を加えて導入を検討する
市場にはさまざまな特徴をもったRPAツールが登場しています。導入後に実際に操作をするのは現場担当者であるため、RPAの導入の検討には実際に使う人も交えて維持・管理体制を構築するとよいでしょう。また、導入後に仕様を変更するのは難しいため、RPA導入を決定した責任者や担当部署も同席するようにするとスムーズでしょう。
RPAはこういうことができる事例3選
実際にRPAを活用して成功している事例についても見てみましょう。主な成功事例を3つご紹介します。
【事例1】大手通信会社では適材適所でRPAを活用するため導入
長距離通信事業やインターネットプロバイダ事業などを展開する大手通信会社の調達部門では、年間数十万件にも及ぶ契約・支払業務を約100名で担当していました。正確性が必要な業務であるため、ダブルチェックなどでミスを防ぐよう取り組んできましたが、ついに限界を迎えRPAの導入にいたりました。
導入後は、1日1000件を超える処理でもエラーは発生せず、生産性も人員のみで行っていた時に比べて3倍になっています。また、全体で30%の業務効率化に成功しました。
- ※参考:導入事例|UiPath
【事例2】生命保険業界では業務自動化により年間5万時間の余力を創出
生命保険会社では、急激な業務増加によるタスクを解消したいというニーズがありました。また、四半期決算前や契約満期時期など、時期によって業務量が大きく変動するため、必要なときに臨時スタッフを採用し、短期間で育成しなければならないという課題がありました。
そこで現場の負担を解消すべく、保険の販売窓口やバックオフィス、資産運用部門、総務部門などを対象にRPAを導入し、年間5万時間の効率化を実現しました。
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【事例3】大手銀行では紙帳票のデータ化を自動化
大手都市銀行では、請求書や見積書など、紙の帳票をデータ化するのに年間300万時間かかっていました。1500人分の余力を生み出すことを目的にRPAを導入し、紙帳票のデータ化の自動化を行いました。
また、導入にあたってプロジェクトを立ち上げ、重複業務の集約や本部部署業務の効率化などの業務改善にも取り組み、RPAへの代替を推進しています。
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RPAはロボットによって業務を自動化できるシステムです。生産性を向上できると注目を集めており、多くの企業においてRPA技術者検定取得者などRPAの導入に対応できる人材が求められています。
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(2019年11月現在)