フロントエンドエンジニアとは?仕事内容と役割について紹介!
公開日:2019.10.07 最終更新日:2020.12.18
ITエンジニア職種Webに関する技術が増え、複雑化する中で誕生したフロントエンドエンジニア。HTML、CSSだけでなく、JavaScript(ジャバスクリプト)やUI/UX(ユーアイ・ユーエックス)など、その対応範囲は多岐にわたります。
ここではそんなフロントエンドエンジニアについて、仕事内容や役割、必要スキルの詳細などをご紹介します。
フロントエンドエンジニアとは
フロントエンドエンジニアの概要
フロントエンドエンジニアは、HTMLやCSSのコーディングだけでなくJavaScriptも対応範囲とし、さらに人によってはUI/UXデザイン、PHPやCMS構築なども担当することがある、Web開発の広範囲を担う職種です。
フロントエンドの意味
そもそもフロントエンドとは、WebサイトやサービスのUI(ユーザインターフェース)を指します。Webの場合HTMLとCSSで作ることが多く、アニメーションや複雑な処理をJavaScriptが担当します。フロントエンドエンジニアは、このフロントエンドを主に担当するエンジニアということになります。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
上述の通り、フロントエンドエンジニアはWebサイトやサービスのUIを担当することから、主にHTMLとCSSによるコーディングとJavaScriptでの開発を行います。近年ではSPA(Single Page Application)の開発や、React、Vue.jsといったJavaScriptフレームワークを利用した開発など、多くの場面でJavaScriptのスキルが求められる傾向にあります。
またユーザの目に触れる部分を担当することから、UI/UXやデザイン、SEOの知見も求められることがあり、デザイナーが作成したものに対して修正案を提示する場合もあります。
その他、WordPressなどのCMSを利用した開発も多く行われているため、PHPなどのサーバーサイドプログラムについても、ある程度理解できているとよいとされています。
フロントエンドエンジニアに必要な能力
HTML:Webページの文字を構造化し意味をあたえて、タイトル、サブタイトル、ヘッダー、サイドバーなどをわかりやすくします。
CSS:Webページのデザインを担います。文字色や背景、位置指定だけでなく、近年では簡単なアニメーションなども可能になっています。
JavaScript:ブラウザで動く唯一のプログラミング言語です。アニメーションだけでなく、ページ遷移やバックグラウンドでデータを取得するなど、近年活躍の幅が広がっています。
PHPなどのサーバーサイドプログラム:データベースからデータを取得するなど、サーバーサイドで動くプログラミング言語です。PHP、Ruby、PythonなどWebで活躍するプログラミング言語は多数存在します。
API:システム上に作成することで、他のシステムでも簡単に自社がもつデータなどを利用できるようにする仕組みです。例えば、AシステムにあるデータリストをBシステムで使いたい場合、Aシステム上でAPIを作成し、Bシステムからアクセスできるようにします。
レスポンシブデザイン、フラットデザインなど、デザイン手法:画面サイズが違うPCとモバイルを、同一のCSSで見せられるようにしたり、シンプルなUIでより直感的に操作できるようにしたりと、デザイン手法は日々変化しています。
UI/UX:ユーザインターフェース(UI)はユーザがシステムと触れ合う部分であり、表示方法などを指します。一方でユーザエクスペリエンス(UX)は、システムを通じて得られるユーザ体験を指します。
SEO:検索エンジンに作成したサイトをきちんと理解させるための方法論です。カテゴリ構造やURL構造から、Hタグなどの設定以外にも、構造化データの設定やXMLサイトマップの設定など、行うことは多岐にわたります。
フロントエンドエンジニアとして上記のスキルを持っていると、より幅広い業務を担う機会が増えるでしょう。
仕事で関わる職種とフロントエンドエンジニアの関わり方
ディレクター
ディレクターはクライアントからヒアリングして設計を行います。技術的に最適な判断ができない可能性のあるディレクターは、フロントエンドエンジニアにアドバイスをもらいつつ設計を行うことになります。
フロントエンドエンジニアはスケジュールを守りつつ、要望に応えるための最適な判断や提案をします。クライアントにとって必要な実装なのか、具体的にどれくらいの期間で可能なのかなどを詳細に回答するのもフロントエンドエンジニアの仕事です。
Webデザイナー
Webデザイナーはクライアントの要望に合わせてデザインを行います。Webデザイナーも同じく技術的に最適な判断ができない可能性があるため、フロントエンドエンジニアにアドバイスをもらいつつデザインを行うことになります。
フロントエンドエンジニアはクライアントの要望に応えるために、デザインを行う際に必要な技術的な情報を提供します。
クライアントの要望にあった実装ができない場合、代替案を考えるのもフロントエンドエンジニアの仕事です。
フロントエンドエンジニアの制作フロー
フロントエンドエンジニアは、Web制作のほとんどのフローに関わっていきます。
サイト設計では「工数見積もり」や「納期」、「機能設計」に関する支援、デザインの段階では「HTML、CSSでデザインを再現できるか」といった情報共有とデザイン支援を行います。その後、主業務としてHTMLコーディングとJavaScriptなどプログラムの組み込みを担当し、最後にテストまでを行います。
バックエンドエンジニアとの違い
バックエンドエンジニアは、Webサイトやサービスを構築する中で、サーバーやデータベースなどのシステム側の構築や管理を行うポジションです。フロントエンドで使うAPIを作成したり、そのAPIを運用するサーバーを構築するのが業務範囲です。
フロントエンドエンジニアは、HTML、CSS、JavaScriptおよびデザイン面の知識やスキルが身につきます。そのため、キャリアパスとしてWebデザイナーを考えていたり、エンジニアとして、JavaScriptを究めたいという人に向いています。
一方でバックエンドエンジニアはサーバーサイドのプログラミング言語やデータベース、インフラなどのスキルや知識を身に着けやすいため、キャリアパスとして、インフラエンジニアを考えていたり、さまざまなプログラミング言語を究めたいと考えている人に向いています。
フロントエンドエンジニアの今後の需要
スマートフォンが普及し、情報端末として一般化したことで、Webサイトをモバイルに対応させる重要性も増しています。iPhoneやAndroidは、機種によって解像度が異なり、最適な表示をするには細かな設計が必要です。
また、表示速度の向上やユーザビリティの高いUIのデザイン、SEOなど、必要とされる技術と情報は日々増えています。加えてWeb制作の技術も高度化・複雑化し、専門的な知識と技術がなければWebサイトを制作することが難しくなってきています。
このような背景からフロントエンドエンジニアでなければ対応できない部分はどんどん増えており、その需要がなくなることはないでしょう。
Webはまだまだ発展を続けており、今後さらに高度化、複雑化していくことが予想されます。Webが発展するということはWeb制作の現場もまだまだ求められることになります。そういった観点からもフロントエンドエンジニアの需要はなくなることはないと考えられます。
フロントエンドエンジニアになるには
フロントエンドエンジニアに必要なスキルや言語
フロントエンドエンジニアはWeb制作の広範囲に関わり、多くの部署とやり取りをしながら適切なアドバイスをする必要があるため、高いコミュニケーション能力が求められます。また、Web制作に関係する最先端の知識が必要なため、サーバーサイドからコーディング、デザインの流行など常に知識のブラッシュアップが必要です。
現在のサイトの多くがCMSを使用しているため、WordPressを始めとした主要なCMSの構造とPHPの知識も必要になります。また、制作するうえで多用することになるJavaScriptも習得が必要な言語です。
フロントエンドエンジニアにおすすめの資格
フロントエンドエンジニアとしてキャリアアップにおすすめの資格をご紹介します。
デザインやコーディング能力を測定する試験です。これからWeb業界に就職したい人向けの初級レベルから、すでに現場で活躍している人のスキルアップのためのエキスパートまで段階があり、エキスパートではHTMLやCSS、JavaScriptの知識を駆使して、設問の指示に従って5ページ程度のHTMLを作成します。
現在Webの主流になっているHTML5やCSS3、JavaScriptなどのマークアップに関する知識と技術を評価する試験です。
インターネットとWebに関するスキルを認定する国際資格です。国際資格なので海外にもアピールできるメリットがありますが、出題はすべて英語で行われるため、言語的なハードルが高い資格でもあります。
ポートフォリオを作ろう
面接の現場では、エンジニアにもポートフォリオを求めるケースがあります。業務上必要になる技術レベルは、ポートフォリオを見るとわかりやすいからです。
どのようなデザインでどのような技術を使い、的確に相手に情報を伝えられるのか。こういった情報や知識の有無、本人の技術力を見る場合、実際に作ったものを提出してもらうことは効率的なやりかたといえます。
こうしたことから、スキルが広範囲ですべてを口頭で説明するのが難しいフロントエンドエンジニアは、ポートフォリオを作成することをおすすめします。
未経験からフロントエンドエンジニアになるには
フロントエンドエンジニアは、HTMLとCSSのコーディングが主業務となるHTMLコーダーから派生した職種です。学ぶべき知識は多く、また実際の現場で積まなければいけない経験も多岐にわたります。
そのため、いきなり未経験からのフロントエンジニアを目指すのではなくHTMLコーダーから始めることをおすすめします。フロントエンドエンジニアにとって、HTMLのコーディングは必須業務のため、コーダーとしての技術を最初に身につけておくことはファーストステップとなります。
HTMLコーダーはHTMLとCSSの基礎的な知識があれば未経験からでも歓迎している求人が多数あります。キャリアアップの目標をフロントエンドエンジニアと定めて、まずはHTMLコーダーとしてWeb制作の現場に入ることから始めてみましょう。
フロントエンドエンジニアの求人
スキルが広範囲にわたるフロントエンドエンジニアにとって、多くの現場で経験を積むことにメリットがあります。そこでおすすめなのが、有期雇用派遣(登録型派遣)というスタイルの働き方です。
状況に合わせて、自分で仕事を選ぶことができる有期雇用派遣は、さまざまな開発に挑戦し続けられる環境が重要なフロントエンドエンジニアにとって最適ではないでしょうか。
フロントエンドエンジニアで Webの万能選手を目指そう!
フロントエンドエンジニアはWeb制作現場に欠かせない重要な存在です。Web制作に必要な知識の大部分をカバーしながら、各部署に的確なアドバイスをしつつHTMLコーディングやJavaScriptプログラミングも行う万能選手です。
必要となるスキルが多く、簡単ではありませんが、HTMLコーダーからのキャリアアップとしてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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(2020年12月現在)