無期雇用派遣ってどんな働き方?有期雇用派遣との違いも解説

公開日:2019.05.14

派遣のキホン
 

「無期雇用派遣」という働き方を聞いたことがあるでしょうか?正社員や有期雇用派遣(登録型派遣)とは、どのような点が違うでしょうか?ここでは、無期雇用派遣の基礎知識やその仕組み、対象となる条件などについて解説します。

無期雇用派遣という働き方

無期雇用派遣は常用型派遣のことであり、派遣会社と無期の契約を結び、派遣会社と取引のある企業へ派遣という形で配属される働き方です。派遣会社との雇用契約に期間の定めがないため、派遣先への派遣期間が満了となっても、派遣会社との雇用は継続したままとなります。無期雇用派遣の場合、待機期間中も派遣会社が定めた給与や休業手当などの支給があり、収入が途絶えることはありません。

  • 無期雇用派遣(登録型派遣)の場合 企業(指揮命令者)とAKKODiS(雇用者)が派遣契約を行い、企業(指揮命令者)からの指揮命令により、無期雇用派遣社員はAKKODiS(雇用者)と無期雇用契約を結び、給与・研修・フォローの提供が行われます。

  • 有期雇用派遣(登録型派遣)の場合 企業(指揮命令者)とAKKODiS(雇用者)が派遣契約を行い、企業(指揮命令者)からの指揮命令により、有期雇用派遣社員はAKKODiS(雇用者)と有期雇用契約を結び、給与・研修・フォローの提供が行われます。

安定性(雇用期間の制限)

無期雇用派遣は、派遣法における同一組織での3年を超える就業に対して期間制限が適用されないため、就業先での要望に応じて働き続けることも可能です。また、派遣先での仕事が終了した後も、派遣会社との雇用は継続します。「収入がなくなってしまう」という不安がなく、派遣会社が次の派遣先を紹介してもらえるため、生活が安定しているといえます。

仕事選び(派遣先)

無期雇用派遣は、一般的に派遣会社が配置を決定します。有期雇用派遣の方があらゆる条件から仕事探しをできるという面では自由度が高いかもしれません。

ただし、無期雇用派遣を行う派遣会社には「キャリア形成支援制度」の実施が義務付けられており、キャリア形成サポートを受けられ、スキル向上が期待できます。

収入面(通勤手当・賞与)

無期雇用派遣の場合、新しい派遣先が決定するまでの待機期間中も、手当が支給され、待機中の収入保障があります。また、無期雇用派遣は交通費が支給されるため、被雇用者の負担が軽減されます。AKKODiSの無期雇用派遣別ウィンドウで開くの場合、万一AKKODiSコンサルティング株式会社の都合で期間が空く場合は、AKKODiSコンサルティング株式会社での就業または待機をお願いしますが、雇用は継続するため休業手当をお支払します。また、AKKODiSでは規定に準じた通勤手当を支給しています。

知っておきたいたい無期雇用派遣のこと

有期雇用派遣であれば、短時間勤務や週に数日間のみ出勤するなど、自分の都合に合わせてワークスタイルを選択することもできます。一方、無期雇用派遣の場合は契約を結ぶ派遣会社の社員となります。そのため、フルタイムの業務に従事するのが一般的です。

また、無期雇用派遣に申し込む際は、法的な条件を満たしている必要があります。また、希望する就業先がある場合、派遣会社の選考を通過しなければなりません。条件によっては無期雇用派遣を希望しても受け入れられない場合もあることに注意してください。

有期契約から無期労働契約への転換

2012年8月成立の「労働契約法」改正により「無期労働契約への転換」が導入されました。また、2015年9月に「労働者派遣法」改正により労働者派遣の期間制限が3年とされ、施行後3年の2018年10月から各派遣会社では能力のある派遣社員の雇用と、若年層育成の取り組みとして、無期雇用派遣を推進しています。

「無期労働契約への転換」のルールでは、“権利を持つ有期契約社員から無期転換の申し込みがあった場合は、企業は申し込みを受諾したものとみなされて断ることはできない”と定めています。有期契約の労働者の中には、有期雇用契約、派遣社員のほか、契約社員、パートタイマー、アルバイトなどが含まれます。

無期雇用派遣が推進される背景

「労働契約法」の改正と「労働者派遣法」の改正には、次のような背景があると言われています。

非正規雇用の高い割合

総務省の労働力調査では2017年時点での非正規雇用者の割合は、37.3%となっており、この20年間を見ても高い水準で推移しています。社会の大きな労働資源となっている非正規雇用労働者の保護は、今後の日本経済の安定にとって急務と言えます。

有期雇用派遣契約の継続

有期雇用派遣の契約をしながら働く人たちの中に、雇用契約をくり返している割合が一定数以上あることが把握されています。

雇止めに対する不安解消

有期雇用派遣の契約に関して大きな問題とされてきたのが、雇用者側からの一方的な雇止めです。無期雇用派遣の制度により、労働者側の不利な条件を無くし、労働者が仕事を失う不安を解消する必要性があります。

無期雇用派遣に転換するための条件

有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換するには、下記3つの条件を満たすことが必須です。

  • 1.
    同じ企業(同じ派遣会社)と契約している
  • 2.
    有期雇用派遣の契約が通算して5年を超えている
  • 3.
    1回以上契約を更新している

この3つの条件を満たしている場合には、労働者からの申し込みにより無期雇用派遣の契約へ転換することが可能です。

また、労働者派遣法においても、派遣会社は、「同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある」労働者が継続して就業することを希望する場合には、雇用安定措置を講じる義務があるとされています。派遣労働者を派遣会社が無期雇用とした上で(3年の期間制限の対象外となります)、これまでと同一の派遣先に派遣することも、この雇用安定措置の一つとなります。

有期雇用派遣との違いは?

有期雇用派遣は期間の定めあり。無期雇用派遣は期間の定めなし

有期雇用派遣は有期雇用の派遣社員として派遣会社と雇用契約を結び、派遣先で就業するという働き方です。派遣期間が終わると雇用契約も終了するという形をとっています。

一方、無期雇用派遣は派遣会社との雇用契約に期間の定めはありません。派遣先への派遣期間が満了となっても、派遣会社との雇用は継続したままです。

有期雇用派遣と無期雇用派遣の給与の違い

有期雇用派遣と無期雇用派遣の最も大きな差は収入の安定にあります。有期雇用派遣では派遣先に勤務している期間だけ雇用契約を結ぶことになるため、派遣先への派遣期間が満了となり次の派遣先が決まるまでの間はどこからも給料はもらえません。また、有期雇用派遣では時給制である場合が多く、夏季休業や土日祝日が多くて勤務日数が少ない月は、時給で計算するため給料が減少することになります。また、有期雇用派遣は交通費が自己負担となるケースがほとんど※です。

しかし、無期雇用派遣の場合、待機期間中も派遣会社が定めた給与や休業手当などの支給があり、収入が途絶えることはありません。

  • AKKODiSでは、2019年4月より有期雇用派遣の場合でも通勤手当を支給しています。支払上限額は税法で定める非課税上限額とします。

AKKODiSの無期雇用派遣

AKKODiSのエンジニア正社員(無期雇用派遣)

AKKODiSは、経験、スキルを持つ、エンジニアをAKKODiSコンサルティング株式会社の社員として採用し、エンジニア正社員として無期雇用派遣の契約を結びます。採用されると、長期間、安定して働ける上、各種スキルアップのサポートを受けることもできます。

AKKODiSのエンジニア正社員へと転籍し、AKKODiSの高い賃金還元率によって劇的に年収アップを実現した例もあります。エンジニア正社員という働き方はエンジニアという特殊技能を活かしながら、これまでにない働き方が実現できる制度です。

無期雇用派遣への転換について

2013年4月1日に施行された「改正労働契約法」に基づいて期間制限が適用される場合、AKKODiSの有期雇用派遣から無期雇用派遣の契約へ、転換することができます。該当の方にはAKKODiSからお知らせします。

Adecco Group独自の無期雇用化の新基準「ハケン2.5」

また、Adecco Groupには、有期雇用派遣の働き方の変革とキャリア形成の重要性の観点から、どの派遣会社で就業されている社員であっても現在の職場で2.5年以上継続して派遣就業されている場合に、AKKODiSの無期雇用派遣社員に応募ができる基準「ハケン2.5」という制度があります。

詳しくは下記ページをご覧ください。

派遣社員の生き方に革新をもたらす無期雇用派遣

無期雇用派遣は、これまでの派遣社員が抱えていた不安や課題を解消する新しい働き方です。無期雇用派遣に申し込むためには、クリアしなければならない条件や選考があり、すべての人の希望が叶うわけではありません。しかし無期雇用には、安定した収入を得ながら着実にキャリアを重ねられるという魅力があります。派遣の働き方を選びながら専門性を高めたいという希望を持つ人には、大きなチャンスとなります。

(2019年5月現在)

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