映像・音響・ゲーム制作の仕事とは

仕事内容、求められる経験、キャリアプランなどを解説します

インターネットの普及をはじめ、デジタル技術やスマホアプリの進化に伴って、映像・音響・ゲーム制作などクリエイティブな仕事への需要も増加傾向にあります。マスコミやWebメディア、デジタルコンテンツ制作会社、ゲーム開発会社など業種も多岐にわたり、企業規模も大小さまざまです。映像・音響・ゲーム制作の仕事内容や求められる経験、スキルなどの詳細について解説します。

映像・音響・ゲーム制作の職種と仕事内容は?

映像・音響・ゲーム制作の現場では、どのような職種の人が働いているのでしょう。主な仕事には、次のようなものがあります。

プロデューサー・ディレクター

テレビなどでよく耳にするプロデューサーやディレクターは、いずれも統括的な立場の仕事です。しかし、厳密には両者はまったく異なる職種で、プロデューサーは全体的なマネジメントを行い、ディレクターは実務的な制作をマネジメントします。プロデューサーは予算管理からPR業務までを担当し、内外での折衝役も務めるのが一般的です。一方のディレクターは企画や構成を考え、撮影や収録などで指示を出します。クライアントの意向に沿った作品となるよう、方向性を示し、スタッフをまとめていきます。

動画制作・編集

動画制作・編集は、ディレクターの指示により、撮影された映像を編集する役割を担います。素材となる映像に目を通し、作品の意図に適した部分を取捨選択して、加工を行います。画面上に出る文字(テロップ)を入れ込んだりすることもあります。

サウンドクリエーター

サウンドクリエーターは、映画やドラマ、ゲーム音楽、アニメーションなどのサウンドや音楽を作る仕事です。作曲や編曲、効果音の制作などを行います。作曲家、サウンドディレクターと呼ばれることもあります。

CGデザイナー

CGデザイナーは、デッサン画などをもとにして、コンピューターにより2次元または3次元のグラフィックスを作成する仕事です。映画、ドラマ、ゲーム、アニメーションなどで使われるほか、建築や自動車、機械類の設計などの分野でも必要とされています。

ゲーム制作

ゲーム制作は、映画などの映像作品と同様に、ディレクター・プロデューサー、シナリオライター、グラフィックデザイナー、プログラマ、サウンドクリエーターなどさまざまな職種が参加して作業を進めていきます。担当する職種によって役割は異なりますが、例えば、ゲームプログラマは開発言語を使ってプログラミングをする仕事で、企画規模によってはシステム開発やネットワーク環境構築などを行うこともあります。

映像・音響・ゲーム制作はどんな会社で仕事をする?

映像・音響・ゲーム制作の仕事が求められるのは、テレビ局、映像制作会社、広告代理店、ゲーム制作会社、Web制作会社などがあります。また、結婚式場や劇場などでは映像・音響の担当部署を置いていたり、ライブや展示会を開催・運営するイベント会社など、さまざまな分野で各種クリエーターが求められている傾向です。近年では、スマホ向けの動画広告市場が拡大傾向にあり、動画制作の需要は多くなる可能性が高いといわれています。

映像・音響・ゲーム制作で求められる経験や資格・スキルは?

映像・音響・ゲーム制作では、特定の資格が必要となるケースは少ないようです。ただ、それぞれの分野についての興味や仕事への熱意、経験の積み重ねが重視される傾向にあります。主な職種で求められる経験やスキルは次のようなものです。

アシスタントディレクター

基本的には経験やスキルがなくても就業可能な職種ですが、パソコンの基本操作やワードとエクセル、ネット検索などは使いこなせる必要があります。特に重要なのはコミュニケーションスキルです。さまざまな年齢層、職種のスタッフ間で調整を行う場面が多いため、常に気配りや気遣いを忘れない社交性が求められます。過酷な現場であることも多く、気力や体力、忍耐力がカギとなります。

サウンドクリエーター

音楽を作るセンスや能力に加え、クライアントやプロデューサー・ディレクターの指示や企画コンセプトをくみ取って、要望に合った音楽を生み出す能力が試されます。デジタル化が進み、基本的にはDTMソフトを扱えるスキルが求められます。

ゲームクリエーター

何もない状態からユーザーに楽しんでもらうゲームを作ることから、アイデアや企画力だけでなくセンスや感性も求められます。また、グラフィックデザイナーにはデッサン力、プログラマにはプログラミング能力が求められるなど担当する職種によって必要なスキルは異なります。どの職種でも、ゲームが好きで新しいゲームを開発することへの熱意が大切です。

映像・音響・ゲーム制作に関連する資格

映像・音響・ゲーム制作の仕事に関連する資格には、次のようなものがあります。職種によって役立つ資格はさまざまで、例えば、陸上無線技術士は放送局の技術部門で働く際に役立ちます。

  • CGクリエイター検定
  • CGエンジニア検定
  • マルチメディア検定
  • C言語プログラミング能力認定試験
  • Javaプログラミング能力認定試験
  • 基本情報技術者試験
  • 画像処理検定
  • 色彩検定
  • 陸上無線技術士(放送局設備の技術操作)

映像・音響・ゲーム制作のキャリアプランは?

映像・音響・ゲーム制作の職種は、経験値が上がるほど、さまざまな分野のプロとかかわり、自身の専門性も強化されていきます。未経験でも可能な職種ですが、初めからディレクターや責任者になることはほぼないのが一般的です。アシスタントやサポート業務から入って、制作工程の流れや実務を一つずつ経験しながら実績を積み重ねていくことになるでしょう。

主に、サービスや作品を通して人を楽しませたり、感動させたりするエンターテインメント業界でスタッフの一員として仕事に携わることができるのが魅力です。アート作品やヒット作品を世に送り出したり、イベントなど開催して人に喜んでもらうことにやりがいを感じることでしょう。

映像・音響・ゲーム制作でのキャリアプランには、次のようなものが考えられます。

統括的な立場へのキャリアアップ

映像・音響・ゲーム制作のいずれの職種でもスタートはスタッフの一員だとしても、実績を積むことで、アートディレクターや音楽プロデューサーなど統括的な立場へステップアップが可能です。より大きな裁量を持つことができ、自分の作りたい作品を制作できる可能性が広がります。

大規模プロジェクトへのかかわり

映像・音響・ゲーム制作は流動性の高い業界です。スキルと経験値を武器にすることで、大規模なプロジェクトにかかわることも夢ではありません。センスや才能が評価されれば、学歴や所属、年齢も関係なく抜擢されることがほとんどです。

起業・独立

独立してフリーランスの立場でプロジェクトに参加したり、自身が経営者となって映像・音響・ゲーム制作の会社を設立する働き方もあります。

海外進出

映像・音響・ゲーム制作は世界共通の職種です。経験とスキルを磨いていくとハリウッドで活躍するなどの、大きな夢に挑戦することも不可能ではありません。

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