2023.08.09
調査リリース2023年8月9日 東京
世界30ヵ国でデジタルとエンジニアリングを融合させたソリューションを提供するグローバルリーダーであるAKKODiSの日本法人で、企業および組織へエンドツーエンドのコンサルティングサービスを提供するAKKODiSコンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川崎 健一郎、「以下、AKKODiS」)は、このたび、ビジネスパーソン1500名(会社員950名、フリーランス550名)を対象に「生成AIの利活用に関する実態調査」を実施いたしました。
AKKODiSは、少子高齢化や労働生産年齢人口の減少等、多岐にわたる課題が累積し「課題先進国」と言われる日本を、イノベーションを支援するエンドツーエンド(E2E)のコンサルティングサービスを起点に『課題解決先進国』へ変革することを目指しています。特に、企業成長の向上や事業変革をもたらすDX支援に注力する中、ビジネスの生産性向上への寄与が高いとされる生成AIは、様々な業界・領域での効率化や事業成長を促進するテクノロジーとして期待が高まっています。
そうした背景の下、実際にビジネスパーソンの間では生成AIの利活用は進んでいるのか、またどのように活用しているのかについて調査を行い、企業における利用実態を明らかにするとともにAKKODiSが企業・組織・地域のDX支援をより加速させていくためのポイントや課題等を分析いたしました。
調査結果概要
【調査結果に対するコメント】
今回の調査により、ビジネスパーソンが生成AIを仕事で活用したことがある人は2割未満と、ほとんどのビジネスパーソンは活用していないことがわかりました。利用者が限定的である理由として、AKKODiSコンサルティング株式会社の常務執行役員の前田拓宏は次のようにコメントしています。
「現状、生成AIに関する法的枠組みや運用ポリシーが十分に整備されておらず(ガバナンスに取り組んでいる「12.2%」)、企業内のガバナンス整備への対応が早急に求められています。また、ビジネスパーソンは企業のガバナンスの問題だけではなく、生成AIの正確性や精度についても懐疑的な部分もあり活用を控える傾向にあると考えられます。どのようにすれば企業が生成AIを適切に活用することができるかを検証するとともに、コンプライアンスや倫理的な側面からも企業ガバナンスを整える必要があります。」
「生成AIの活用目的では、『業務効率化」に関する項目が上位を占めましたが、『イノベーションの創出』に繋がると思うか」という質問については、「思う」43.9%、「分からない」40.6%、「思わない」15.5%と、「思う」と「分からない」の回答が割れる形になりました。現状では、イノベーション創発のような企業の付加価値を生み出す活用までは至ってはいないものの、期待値が高いことが伺えました。」
「今回の調査結果からは、企業が生成AIの導入に際して、ガバナンスの確立とリスク管理の重要性を認識し、適切な方針や規則を策定する必要があることが示唆されます。弊社では、自社内での生成AI の活用を推進すると同時に社内システムの制御や社内ルールの策定など、早期よりガバナンスにも取り組んでいます。それらの実績を生かしたコンサルティングサービスの提供を行っており、今後も生成AIの活用による企業や組織内のイノベーションの創発に寄与していきたいと考えております。」
常務執行役員 テクノロジー統括 兼 Chief Technology Officer
前田 拓宏
名古屋工業大学大学院工学研究科産業戦略工学修了。株式会社ベンチャーセーフネット(現、AKKODiSコンサルティング株式会社)に機械設計技術者として新卒入社。その後、エンジニア社員のキャリアプランニングおよびキャリアコンサルティングを通じた人財開発に携わる。VUCAの時代を生き抜くテックコンサルタントのキャリア開発をはじめ、自社の強みである「問題解決力×エンジニアリング」を活かし、地方の課題解決に挑む、地方創生プロジェクトなど新規事業も手掛けている。
ビジネスパーソン1500名に「ビジネス上でのChatGPT等の生成AIの活用」について質問したところ、「活用したことのない」という回答が80.3%、「活用したことがある」は19.7%という結果になりました。また、会社員950名とフリーランス550名別の回答では、会社員の方が4.5ポイントフリーランスよりも活用したことがある人が多いことがわかりました。年齢、年代、役職別でも分析したところ、特に傾向は見られませんでしたが、活用したことのある人が所属する業界は、製造業、情報サービス業、インターネット関連業、金融業・保険業が多いことがわかりました。
前問で「活用したことがある」と回答した296名を対象に「生成AIをどのように活用したか」を質問したところ、「1位:文章のドラフト」、「2位:言語翻訳や多言語サポート」、「3位:クリエイティブなコンテンツの作成」の順に多い結果となりました。 生成AI は、会話や文章の生成の精度が高いとされており、そうした得意な分野での利用が主となっているものの「マーケットリサーチやトレンド分析」、「質問応答システムの構築」も4位、5位に続きました。活用方法に関して、業界、年齢、年代、役職別での傾向は見られませんでした。
会社員950名を対象に勤務先での「生成AIの利用許可」について質問したところ、「許可されている」と回答した人は26.5%、「許可されていない」は11.8%、「現在は許可されていないが、検討している」が11.8%、「分からない/決まっていない」が49.9%という結果になりました。
ビジネスパーソン1500名を対象に、「仕事以外での生成AIの活用有無」について質問したところ、「活用したことがある」と回答した人は27.7%、「活用したことがない」は72.3%と、業務以外での利用についてもまだ活用が広がってはいないことがわかりました。
前問で「仕事以外での生成AIの活用」を「したことがない」と回答した1085名を対象に、「今後は、個人として活用したいか」を聞いたところ、「思う」と回答した人は24.3%で4分の1未満にとどまり、「思わない」は20.4%、「まだ分からない」が55.3%と現状では、個人の利用においても消極的な意見が多いことが分かりました。
ビジネスパーソン1500名を対象に、「生成AIを活用することで、『イノベーションの創出』に繋がると思うか」について聞いたところ、「思う」と回答した人は43.9%、「思わない」は15.5%と、「分からない」が40.6%という結果になり、「思う」と「分からない」の回答が割れる形になりました。「思う」と回答した人の理由としては下記のような意見がありました。
・「定形作業の相当量を簡略化でき、その分余裕となった時間を創造的な業務へシフトすることが出来ると考えるから」
・「人間の思考では思いつくまで時間のかかるようなアイディアも、瞬時に提示してくれる可能性があるから」
・「多くの時間をかけたり、異なる思惑を持った多数の人間の意見に折り合いを付ける面倒をカット出来る利点は大きいから」
会社員950名を対象に、「所属企業での生成AIのガバナンスへの取り組み」について質問したところ、「取り組んでいる」と回答した人は12.2%、「準備/検討している」は14%、「現時点では検討していない」は45.1%、「まだわからない、知らない」は28.7%であり、約半数が企業でガバナンス体制を構築する予定が無い、または分からないという結果になりました。
前問で、「所属企業では生成AIのガバナンスに取り組んでいる」、または「準備/検討している」と回答した249名を対象に「具体的にはどのような取り組みを行っているか」を聞きました。「1位:社内ガイドライン制作」、「2位:社内研修の実施」、「3位:社内横断ワーキンググループ等の設置」の順に多い、結果になりました。さらに、取り組みが進んでいる企業では「4位:社外専門家による社内セミナーやトレーニングの実施」や「6位:社外有識者で構成される倫理委員会等の設置」といった専門的な知識の習得やガバナンス体制に着手していることも分かりました。
調査対象 | 正社員・フリーランス(20~50代) |
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サンプル | 1500名(正社員:950名、フリーランス:550名) |
実施期間 | 2023年6月13日~16日 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査会社 | 楽天インサイト株式会社 |
AKKODiSは、コネクテッドデータの力を活用し、デジタルとエンジニアリングを融合させたソリューションを世界30ヵ国で提供するグローバルリーダーです。 AKKODiSコンサルティング株式会社は、「日本を、課題解決先進国に。」というビジョンを掲げ、日本において事業を展開しています。戦略、プロジェクトマネジメント、テクノロジー、アカデミー等、多岐にわたる領域のコンサルタントを10,000名以上擁し、企業および組織のイノベーションを支援するエンドツーエンドのコンサルティングサービスを提供しています。 上流領域のコンサルティングから、システム開発、教育、現場の保守・運用までを包括した、Consulting、Solution、Academy、Talentの4つのサービスを提供することで、組織の変革を伴走しながら支援しています。