2023年4月1日に、AKKODiSコンサルティング株式会社となりました。本記事は、Modis株式会社当時の内容です。

AKKODiSでは、お客さまが抱える人事課題やご要望に応じたコンサルティング、IT・エンジニア派遣、研修サービスを展開しています。職場ごとに異なるさまざまなご要望や課題一つひとつに寄り添いながら、課題解決のためのソリューションを日々提案しています。今回はAKKODiSのエンジニア派遣部門の営業職(SP:ソリューションパートナー)がどのような想いを持ってお客さまの課題解決に伴走しているのか、話を聞きました。

川本 琢央(かわもと たくお)
チームリーダー Tech Talent事業本部

通信業界や交通業界中心に、クライアント企業の課題を解決するのがメイン業務。5人のメンバーを引っ張るチームリーダーを務めている。

三浦 彩希(みうら さき)
Tech Talent事業本部

ITコンサルティング企業やSierを主に担当。クライアント企業との商談や、エンジニアへのフォローや契約周りの手続きなど、業務は多岐にわたる。

お客さまの課題をしっかり理解したうえでソリューションを提供

Modisでは企業の人事課題に関するコンサルティング、IT・エンジニア派遣などを展開していますが、お客さまの抱える課題にどう対応していますか。

川本:お客さまの抱える課題といってもいろいろありますので、まずは何に困っているかをうかがうようにしています。その解決方法として、コンサルタントやエンジニアを派遣するケース、教育や研修方法を提案するケース、人事施策やエンジニアのポートフォリオ設計を提案するケースなどがあります。

三浦:担当するお客さまの50~60%は客先常駐という勤務形態でのソリューションを求めています。エンジニア派遣のニーズは、スキル(技術)面の条件マッチングを重視したご依頼をいただくことが多いように感じています。
一方で、スキルマッチングでは短期間の派遣でうまく採用いただいたとしても、中長期的に考えると継続契約にはつながらないケースもあり、まだまだ商談の進め方などで改善できる余地はあるなと感じています。

ですので、私が商談で心がけているのは、いろいろなソリューションを提案することです。お客さまのニーズにキッチリ応えつつ、もっと深堀りして“現在のニーズ”と“潜在的なニーズ”に分けるなどして、提案のバリエーションを増やしていこうと取り組んでいます。

スキルのみならず、企業理念も含めたビジョンマッチングを推進

短期的なエンジニア派遣とは別に、中長期のプロジェクトに対するニーズも増えてきたということでしょうか。

三浦:何度も相談いただくことで、中長期的なニーズについても話していただけるようになってきたと感じています。Modisはエンジニアの人生計画や将来のキャリアビジョンを踏まえたマッチングに取り組んでいます。お客さまにも同様のお願いをしており、中長期的にどのような目標を掲げ、どのような体制でプロジェクトを運用したいのかを聞くようにしています。私たちはエンジニアと企業さま双方のキャリアに対する志向やビジョンをマッチングさせることを意識して提案を行っています。

川本:IT関連の仕事はスキルだけでなく、取り巻く環境も変化が速いと感じます。そして働き方の多様化も加速していると感じます。
例えば、私が担当する通信業界もエンジニアの技術的なスキルは重視されますが、これからは「ヒューマンスキル」や「キャリアに対する志向」「企業理念への共感度」などの複数のニーズがもっと顕在化してくると考えています。

未経験エンジニアの方でも、その方のキャリアに対する志向や人となりが職場と合致しているケースもあるからです。派遣したエンジニアと職場の雰囲気や波長が合い、その後エンジニアのスキルが向上することで、ヒューマンスキルと求められる技術的なスキルを兼ねそろえたエンジニアに成長することができます。結果として、お客さまからの評価が高くなることが多いと感じています。

三浦:Modisでは未経験者の採用にも非常に力を入れていますし、入社時にどのようなキャリアを積み上げたいかの志向を聞きながら、スキルアップを支援しています。

川本:そうですね。実際、未経験者として採用し2~3年くらい経過したメンバーが増えています。そしてうれしいことに、お客さまからの就業評価が高いケースが増えていて、なおかつ「抜けられたら困る」というご意見をいただくことも多くなりました。この状態を継続し広げていくためにも、お客さまからの要望は細かく把握するようにしています。「こういうエンジニアに来てほしい」「こういうチーム編成で派遣してほしい」「こういう運用に対応してほしい」など、どのような職場にしたいか、業務を行いたいかを具体的に聞くようにしています。

エンジニア、キャリアコーチ、営業、全員で満足度を高める

Modisでは、エンジニア、クライアント企業ともに「顧客」と捉え、CX(顧客体験)向上プロジェクトを推進しています。両方の顧客との接点(タッチポイント)が多いお二人にとって、このプロジェクトをどのように捉えていますか?

川本:エンジニアは当社と契約し就業いただいておりますので、分かりやすくいえば同じ会社で働く「仲間」です。一方、私たちは、クライアント企業さまのご要望を聞いて契約するのですが、どちらかを重視しているわけではなく、双方の意見や気づきをうかがって現場で調整する役割を担っています。

Modisでは、就業中のエンジニアのキャリア支援を行う「キャリアコーチ」という制度を導入しています。ときにはエンジニア、キャリアコーチ、営業で「三者面談」の形で意見を出し合ったり、目線合わせを行うこともあります。もっと大きな視野で考えれば、マーケティングやIT、オペレーショナル部門なども含めて、お客さまの満足度を全社で高めようと思って行動することが大事だと考えています。

三浦:現場でいろいろな方と接していて感じるのは、企業の担当者さまも含めて、一人ひとりが思っていること、感じていることは違うんだなという点です。双方の意見を聞くことではじめて、議論を始めましょうとなることが多いですね。そういった機会を得ることでお客さまの業務改善につながった例もあります。

とあるチームで請けている案件で、派遣したエンジニアが悩みを抱えてしまったケースです。課題としては、業務に関する教育が部分的で全体像を把握する機会がなかったり、質問しづらい環境だったり、問い合わせ内容についての相談先が複数に分かれていたりするなど課題が多岐にわたっていました。まずはエンジニアに話を聞いて要望を整理し、クライアント企業の担当者さまに確認をお願いしました。

一つ目の部分的な教育は、業務内容を一連の流れで教えるように現場の教育担当者へ共有いただきました。二つ目は業務状況を整理して質問を受ける方にフォローをしていただくよう、リーダーを巻き込んでの体制づくりを進めました。三つ目の質問先の分散問題は、チャットを活用したりしながら、段階を踏んで1カ所に集約していこうとなりました。チーム内の解決だけでなく、派遣先企業の職場環境を改善していく動きが生まれたのです。

業務は面白いけれど、環境が合わないというエンジニアの話をチームメンバーや企業の担当者さまに共有しながら、働く環境を整えていった先に、その職場の課題解決にもつながった例でした。また、エンジニアからの意見や会話はフィードバックになるから続けてほしいと担当者さまに言っていただき、予想以上の結果につながってホッとしたのを覚えています。

川本:私が経験したのは、NPS®アンケートをきっかけに、新たな課題が見つかったという事例です。
エンジニアを派遣していて、その方への企業からの評価は高いのにご本人はNPS®のスコアを「5」と回答していました。話を聞きにいくと、その職場で抱える新たな課題を知ることができ、エンジニア派遣だけでなく別の提案につながったケースがありました。

お客さまの声からフォローの仕組みを新たに構築

クライアント企業の抱える課題に対して、解決に向けて取り組んでいるのは担当営業だけではなく、他の多くの人の目が機能しているからだと思います。キャリアコーチとの連携の取り方、役割分担などについてエンジニア派遣ならではの取り組みがあれば教えてください。

三浦:私たち営業担当はクライアント企業さまに向き合うのがメインの業務になります。先ほど話に出たように、CX(顧客体験)の観点では、最前線にいるエンジニア、彼らを支えるキャリアコーチ、お客さまの課題解決を支援する営業という3者があり、オペレーション部門などを含め全社で協力して同じゴールを目指しています。

企業さまに提案するソリューションの中心であるエンジニアとのコミュニケーションを主に担っているのがキャリアコーチになります。エンジニアお一人おひとりの状況、業務上の課題やキャリアビジョンの変化、スキル習得度の進捗などは社内システムを通じて共有されています。そうした情報をもとに、状況に応じてさまざまな対応ができるよう、こまめな連携を取っています。

川本:確かにいろいろな連携対応をやっていますよね。業務未経験者の場合、とくに就業開始時は不安に感じる方もいらっしゃいます。そんなときは手厚い対応をしたいとキャリアコーチから営業へ連絡が入り、初出社の前日からエンジニアに連絡を入れたり、ときには当日に営業も出勤に同行したりすることもあります。

ほかにも、初出社から1カ月目は毎週1回面談を入れ、2~3カ月目には電話面談を挟み、4カ月目以降はチューター制度に引き継いでいくケースもあります。
このチューターは、エンジニアのなかでもリーダー志向がある方のグループで構成されたメンバーの集まりです。未経験者の方にとって就業して4カ月目以降はスキルのキャッチアップに不安を感じることが増えますので、スキル面の相談ができる場としてチューターと引き合わせています。私たち営業では解決できないこと、伴走するキャリアコーチには解決できないこと、スキルアップに関する部分や技術に関するディスカッションができる関係を構築し補完する仕組みとなっています。

こうした取り組みはまだ始まったばかりですが、実はNPS®アンケートを通じて、お客さまから段階を踏んだフォローはできないだろうかとコメントをいただいたことがきっかけで行うようになりました。中長期的に見れば、エンジニアが自立できる環境を整えることは、お客さまだけでなく、私たち営業にとってもメリットが大きいと考えています。

三浦:こういった新しいフォローの仕組みや、それをスピーディーに実現できるのはModisならではの特徴だと思います。ですので、もっとたくさんの要望が集まるようになると私も提案の幅がさらに広がると考えています。

ときには厳しい言葉をいただくこともあります。ちゃんと探してくれているのか、時間を割いて考えてくれているのか……といったクライアント企業さまの不安や不満です。このとき気づかされたのは、私たちの行動は見えていないのだということでした。
そこで早速、人選の進捗報告の回数を増やしたり、メールのレスポンスを早めたり、企業さまからいただくスキル条件の項目について他社の求人情報などを参考に実際の市場感をお伝えすることで要件を緩和いただいたりするなど、いろいろ取り組むように工夫を加えました。

そんななか、私の行動面が評価されNPS®スコアで10をいただけたことがありました。この経験から、自分の行動を見えるように、見せるようにして、それをやり続けていくことで、喜んでいただける機会が増えるのかなと感じています。

顧客体験(CX)の向上に全社横断で取り組む

多賀 智美
Marketing本部 Customer Experience推進部 部長

2004年にアデコに入社し人財派遣事業や人財紹介支援部門を経て、2011年よりマーケティング部門。全社的なCXの強化をリードする部署として2020年にCX推進部が新設され現職に着任。NPS®認定資格を所有。

Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス。以下、CX)推進部が立ち上がったのが2020年。同時にCXプロジェクトという全社横断プロジェクトを立ち上げ、現在も推進しています。
このCXプロジェクトとは、顧客体験の向上を推進するプロジェクトで、企業と向き合う営業担当者やキャリアコーチはもちろん、マーケティングやIT、オペレーショナル部門など全部門が集結し、それぞれの役割における皆さまとのタッチポイントにおいて、よりご満足いただけるCXを提供するため、全社横断的に考え、実行するプロジェクトです。

Modisでは日々、多くの皆さまからさまざまなお声をいただいており、CXプロジェクトのメンバーですべてのお声に目を通し、耳を傾け、分析して改善点を洗い出し、サービス改善策を検討して実行しています。この活動にゴールはなく、お客さまを中心に考えるModisの永遠不滅の活動だと思っています。

お客さまからの声は、日々のコミュニケーションの積み重ねに加えて、NPS®(ネット・プロモーター・スコア®)というアンケートで集めています。NPS®アンケートは単なる一方通行のツールではなく、双方向のコミュニケーションツールだと社内では伝えています。アンケートにご回答いただいたら、必ずリアクションし、速やかに皆さまのニーズやご期待に応えていくことが最も重要だと考えています。

またNPS®アンケートを通じて、一営業担当者やキャリアコーチの問題だけでなく、会社として全員で解決しなければならない課題も見えてきます。例えばWebサイトなどの課題は一事業部では解決できないことですので、CXプロジェクトで横断的に対応していきます。皆さま一人ひとりの気づきやご指摘を知るきっかけとなり、Modisと皆さまのコミュニケーションを円滑にするツールとして、NPS®アンケートをさらに活用していきたいと考えています。

  • 注: ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。

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