福島県矢祭町 アトム電器矢祭店 ましこデンキ:地域の事業者に聞く、GIGAスクール構想のタブレット端末導入受託事業

福島県矢祭町 アトム電器矢祭店 ましこデンキ:Microsoft Power Platformの社内開発者講師を育成。DX推進の内製化を進める原動力に

クライアント

福島県矢祭町役場

キーパーソン

アトム電器矢祭店 ましこデンキ
増子哲也さま

担当部署

自立総務課

業界

行政

支援内容

矢祭町内の事業者とともに「小中学校学習用タブレット端末購入事業の導入業務」受託
タブレット端末導入支援

プロジェクト概要

AKKODiSコンサルティング(以降、AKKODiS)は、2019年に、地域の社会課題に挑戦する実践型人材育成プログラムであるSocial Innovation Partners(SIP)をスタートしました。

このSIPの活動先の一つが福島県矢祭町です。2021年5月には、矢祭町内の事業者であるアトム電器矢祭店 ましこデンキとAKKODiS(当時のModis VSN)が、共同でGIGAスクール構想における「小中学校学習用タブレット端末購入事業の導入業務」を受託し、町内の小中学校に対して450台のタブレット端末の配布、円滑なタブレット端末導入に向けた支援事業を開始しました。

当時の活動を振り返り、ましこデンキの三代目社長である増子哲也さまに受託事業におけるAKKODiSとの共同活動についてお話を伺いました。

SIP活動からGIGAスクール構想への広がり

—ましこデンキさんとAKKODiSの出会いは、2020年のSIP活動にさかのぼります。増子さまご自身は、どのような経緯で加わることになったのでしょうか?

増子さま:AKKODiSのエンジニアの皆さんが、私を含めた地域の声を拾ってくれたのがきっかけです。地域のキーパーソン、教育委員会、役場職員などと密に連絡を取り合い、地域の課題やニーズを深く理解してくれました。人と人との関係構築が重要であることを改めて感じるきっかけになりました。

—GIGAスクール構想の受託業務にどのようにつながったのですか?

増子さま:AKKODiSとの関係を継続していくなかで、外部の意見を取り入れた町づくりは大切だと思いました。ただ、任せっぱなしや頼りっきりでは持続可能な町づくりにはつながりません。AKKODiSのエンジニアの方は、地域住民自らが主体的に動くことを伴走しながら支援してくれました。まさに、私たち矢祭町の住人の出番をつくり、それが、GIGAスクール構想での小中学校学習用タブレット端末購入事業の導入受託業務につながったのだと思います。

—GIGAスクール構想は、児童生徒の学習環境の向上につながりますね。増子さまにとっては、どのような意義がありましたか?

増子さま:私は幼い子どもを育てる親でもあり、教育格差をなくし、子どもたち一人ひとりが等しく質の高い教育を受ける世の中になることを切望していました。GIGAスクール構想は、教育を通して地域に貢献できる、その実現に向けた一歩だと思うと、胸が高鳴りました。

福島県矢祭町 アトム電器矢祭店 ましこデンキ 増子哲也さま
増子哲也さま
福島県矢祭町 アトム電器矢祭店 ましこデンキ
代表取締役社長

受託業務の活動を通じて得た学び

—AKKODiSと共同で進めた受託業務では、具体的にどのような作業を行われたのですか?

増子さま:まず、矢祭町で必要な450台のタブレット端末の手配・調達を行いました。その後、端末ごとに設定作業を行い、小中学校に配布しました。さらに、校内ネットワークの確認・設定などを行うとともに、全ての端末が同じ環境で動作する確認まで実施しました。

—受託業務を通じて、新たな気づきや学びはありましたか?

増子さま:タブレット端末を調達し学校現場に導入しても、利用につながらないと意味がありません。AKKODiSのエンジニアの方が、端末のトラブル対応などをわかりやすく教えてくれたことで、具体的に何を準備し、どのような対応をしていけばいいのかを自分事として学ぶことにつながりました。その学びは、電器屋としての日々のお客さま対応にもつながっているように思います。

—町の電器店としてのあるべき姿を見出すきっかけになったのでしょうか?

増子さま:その通りです。AKKODiSのエンジニアの方は、今回の受託業務の期間中、常に伴走支援してくださいました。個別に疑問を解決してくれたり、追加で講習会を開いてくれたりすることで、受託業務終了後でも町内の電器店が主体的に窓口として対応をできるように徹底的に支援してもらいました。

—学校現場で業務を進めていく上では、児童生徒に加えて、保護者や先生方の対応も必要になりますよね。普段のお客さま対応とは違って、工夫された点などありますか。

増子さま:最初は「遊び道具になるのでは」「夜更かしの原因にならないか」など、タブレット導入を不安視する保護者や先生方の声がありました。そこでAKKODiSのエンジニアの方と一緒に、「アプリやサイトの利用制限」「夜間使用の制限」など、端末の機能や設定をカスタマイズしていることを伝え、理解をしていただくようにしました。学校現場にとって私がITに詳しい先生のような立ち位置で、迷うことがあればいつでも個別に相談できる体制を整え、可能な限り細やかに対応していきました。

—学校現場を中心に、関係する方々へのきめ細やかなサポートを通じて、児童生徒が安心してタブレット端末を使えるような環境を整えてこられたわけですね。どのような苦労がありましたか?

増子さま:今回の受託業務では、450台のタブレット端末の調達や設定作業など、日々の電器屋の業務と比べると膨大な作業量でしたが、作業量よりも費用面での不安を感じました。国の事業では、受託業務が全て完了して初めて、必要経費が受託者に支払われる仕組みです。そのため、受託業務を開始するにあたって、タブレット端末を手配・調達に必要な費用は、ましこデンキの責任で立て替える必要がありました。

—それは大変な作業だったでしょうね。どのように対応されたのですか。

増子さま:町の電器屋としては、450台のタブレット端末の手配・調達費用を立て替えることは簡単ではなく、銀行から融資を受ける必要がありました。銀行への説明や交渉も、粘り強く交渉を重ねることで信頼関係を構築できたと感じています。これにより、受託業務を遂行でき、さらには、地元の方々からの信頼も得られるようになったので、大きな自信になりました。

福島県矢祭町 アトム電器矢祭店 ましこデンキ 増子哲也さま

地域創生事業は地域の対話と協力が必要

—地域創生事業の在り方について増子さまの思いやお考えを聞かせてください。

増子さま:地域創生事業において、外部の専門知識を持った企業や人材の協力が欠かせません。今回、AKKODiSのエンジニアの方の存在がまさにそのものでした。講習会を開き専門知識を教え、常に伴走し一緒に考えてくれる心強いサポーターでした。自治体や関係者、住民が積極的に関わり、自らの役割を果たすことを考えるきっかけになったと思います。地域の発展に向けて協力し合う機会になったのではないでしょうか。

地域創生は、そうした地域内での対話と協力が欠かせないと考えています。この取り組みは、地域が自立し、持続可能な発展を遂げるための礎になったと感じています。

—地域創生には地域全体の協力が必要です。今後も地域の皆さんと連携しながら、さらなる地域の発展に貢献していく姿勢を持ち続けることが大切ですね。

増子さま:はい、地域の皆さんと協力して、より良い町づくりに取り組んでいきたいです。今後も地域とともに歩みながら、新たな挑戦に取り組んでいきたいと思っています。

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