クライアント
シーホネンス株式会社
担当部署
代表取締役
業界
製造
支援内容
組織戦略立案と人事制度設計・研修プログラム提供
プロジェクト概要
シーホネンスは大阪を拠点にする西日本唯一の医療・介護用ベッドメーカーです。同社では2016年に増本社長が就任後、「飛躍・永続・革新」をスローガンに掲げて、旧態依然とした社内の体制の改革に着手しました。加えて製造現場のDXも視野に入れ、AKKODiSとコンサルティング契約を開始。全社で研修や組織改革などを推し進め、これまでのアットホームな企業体質を大事にしながらも、社員一人ひとりの意識を変え、会社全体のレベルアップを図る過程を、シーホネンスの代表取締役社長の増本龍樹さまに伺いました。
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抱えていた課題
- 市場の変化が著しい現代で、組織改革や人事制度を見直すも、社内ノウハウがなく上手く機能せずにいた
- 競合の上場企業と戦うため、個人・組織のレベルアップ、属人化の撤廃、仕組みの構築など組織改革が必要
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AKKODiSの取り組み
- 製造業への派遣事業のノウハウを生かし、DXやIT関連の研修事業や工員への教育を一括で提供
- コンサルティングに加えて、派遣業や人材育成研修なども手がけている総合力での“伴走支援”
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プロジェクトの成果
- 現場社員を巻き込んだ“ビジョン策定”や、人材育成研修による、社員一人ひとりの意識改革
- 研修によるIT関連のスキル向上と、ボトムアップで業務改善を行う文化の醸成
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抱えていた課題
社長就任から7年、組織改革を真剣に考えるタイミング
—AKKODiSのコンサルティングを導入する前、会社はどのような状況だったのでしょうか。
先代の社長(増本さまのお父さま・現会長)時代は、降格などもなく、アットホームで人に優しい会社でした。
ただ、これからはそれだけでは勝てないと思っていました。私は、2016年に社長に就任したときから「飛躍・永続・革新」をスローガンに掲げ、大手企業経験者や事業部長経験者の中途採用を実施しました。しかし、大きな改革までには至っていませんでした。
弊社の経験が深くなればなるほど、会社の現状から変化することに対して、二の足を踏む傾向が強くなる状態でした。市場や顧客の変化が著しい現代において、新しいことを勉強しながら自らを変化させて対応するというマインドをもった社員がまだまだ少ない印象です。
そんな状況なので、会社の業績も著しく下がることはないものの、次のステージに行けるほど上向きにもならないという状態が続いています。
—社員の皆さんの取り組み方に気になる点はありましたか?
おそらく社員たちは、現場の業務でいっぱいいっぱいとなってしまい、まだまだ設定した目標に対する数字の意識が十分ではないと感じており、達成ができていない状況が続いています。担当はともかく、管理職には特に数字への執着心をもって、市場と戦ってほしいと思っています。
たとえば、弊社ではSFAを導入して、業務の見える化をしていますが、日々の営業活動の行動数がまだまだ対応できる伸びしろがあると感じていて、空いている時間に数字を上げるためにもう1件、というマインドセットを全体的にもっと養っていきたいです。
また、管理職がそのマインドセットを養う重要な役割を担っているため、「日々の営業活動の状況を数字でしっかり把握をして、営業担当者と対話を行いながら、組織を強化してほしい」と私からも語りかけています。
—経営に関する判断などは増本さまお一人で対応されているのでしょうか。
現在は、私からのトップダウンという傾向が強くなってしまっています。以前、社員に任せてみたところ、“お客さまの課題を解決するため”の機能を搭載した製品を開発するのではなく、安価な製品を出すという方向性が異なることがあり、討論になったことがありました。
(この後、AKKODiSとの企業Vision策定を社員と共創し、“お客さまの課題を解決するために寄り添う”という部分が社員共に重要な価値観であることを再認識できましたが)上長含めマネージャーが、お客さまのために、企業として・組織として、何が重要になるか、そのためになにを把握するべきなのか、ということをもっと考慮して対応してほしいと感じています。
この状況を変えるべく、組織改革として人事制度や業務フローなど都度見直してきましたが、残念ながら会社が持つ既存のノウハウもなく、うまく機能していませんでした。
弊社の競合は、上場して規模が大きい会社です。いくら良い物を作っても、皆さんに知っていただき、使っていただけなければ、皆さんに笑顔をお届けできません。そして、市場で戦っていくには、組織、各個人のレベルアップ、属人化の撤廃、誰もが簡単にできる仕組みの構築など、組織改革を真剣に考えているタイミングに来ていました。
AKKODiSの取り組み
組織改革は一人ではできない
—そのような状況を打破するために、2022年の7月からAKKODiSのコンサルティングサービスを導入したわけですが、AKKODiSを知った経緯をお聞かせください。
2022年の4月くらいに、大阪医療機器協会の若手の会がありました。そのときに講演にいらっしゃっていた、FAプロダクツの天野眞也さんに、弊社の工場のことで相談をさせてくださいとお願いしたのが始まりです。
工場のDX化について天野さんに相談していたときときに、会社の組織改革も含めてやりたいとお話をしたら、AKKODiS(当時はModis)を紹介されました。
—それまでコンサルティング会社と契約をしていたことはありましたか??
ありません。
—なぜ外部のコンサルティングが必要だと思ったのでしょうか。
前述の通り、私が社長に就任してから、会社の改革をしようと試行錯誤してきたのですが、一人ではできないなと感じたことが一番です。社長業もこなしながら、人材育成や組織作りをするのは難しいという思いがありました。
また、社長に就任して7年目ということ、そして時代がDX、AI、IoTが台頭してきている、そして新工場も立てるこのタイミングで、ここで変わらなければこれからの勝負が難しくなるという危機感もありました。
そんなときに、たまたまご縁があったので、これもタイミングかなと。私は、タイミングとご縁そして、スピードが大事だと思っているので。
製造業への深い理解が選択の決め手
—複数のコンサルティング会社から、AKKODiSを選んだ決め手はどこでしたか?
製造業への派遣業やさまざまな研修事業なども手がけているというところです。他のコンサルティング会社も製造業に対していろいろ手がけてきているとは思いますが、結局のところ自らコミットしているわけではありません。提案をして最後はあなたたちが決めてください、という感じが、なんとなく違うのではないかなと感じました。
私には、製造業の工員たちの教育部分もやってもらいたいという希望がありました。それでAKKODiSにお願いをした次第です。
また、当時AKKODiSの女性役員や、本プロジェクトのPMが女性担当者だったりと、女性も活躍している会社というイメージが好印象だったことも理由のひとつです。私には娘が3人居ることならびに女性にももっと活躍してほしいという想いもあったなかで、女性が活躍している姿に感銘を受けたのです。
—製造業の深い部分からコンサルティングをしてくれるのではないかと。
今後必要であろうDXやIT系に関しても、AKKODiSなら国や地方からも研修事業を受託しているので、トータル的に一括で請け負ってもらえると考えました。まだ2年目に入ったところなので、これから深掘りしていくところです。
—具体的に、AKKODiSのコンサルティングはどのような取り組みをしてきましたか。
社員に対する業務課題などさまざまなヒアリングや、日々の問題解決を推進するための人財育成の研修プログラムの提供です。あとは、毎月我々と打ち合わせをしながら、人財育成施策の設計/実行、業務改革推進、経営戦略の策定と実行に向けた組織設計などに関するディスカッションですね。
プロジェクトの成果
会社が変わるのでは。社員の意識レベルが変わってきた
—AKKODiSがコンサルティングをするようになって、1年ほど経過しました。変わったと感じられる部分はありますか?
まずは、若手が「会社が変わるんじゃないか」と思い始めていることです。そして、勉強してみようと思う人間が出てきました。おそらく、一人ひとりが変化することが必要と気づき始めたのではないかと思います。
長い目で見て、これからもAKKODiSの伴走に期待しています。
—まだまだゴールは先かもしれませんが、思っている成果に向かっているという手応えはあると。
そうだと信じています。しかし、1年で簡単に成果が出るようなものではないとも思っています。
このまま改革の途中段階で終わってしまったら、今まで積み上げてきた変化の兆しが崩れてしまうと感じました。外部のコンサルが入っても改革ができないと感じたら、企業全体への影響は計りきれません。
なので、常に変わっている、少しずつでも変わっているということを実感してもらいたいと思っています。
一社員のように親身になってやってくれている
—AKKODiSにはどのような印象をお持ちですか?
AKKODiSの担当者は、みな親身になって一緒になってやってくれていると感じています。弊社の一従業員のように、社内に溶け込んでやってくれています。
—そう感じられるのは、どんなところでしょうか。
さまざまな社員と個別に食事をするなどして対話の時間を多く持ち、いろいろな本音を聞いているところですね。なかなかそこまでするというところは少ないでしょう。
仕事という関係で割り切ってしまうと、そのようなことは本来の仕事ではないと思いますが、本音というのはそういう場でしか出てこないものではないでしょうか。
—社員の方も、AKKODiSの担当者に対して同じ仲間といった感じで接しているのでしょうか。
実際は半々くらいではないでしょうか。まだ様子見の人間、なんとか会社を変えてもらいたいと思っている人間、本当に変わろうとしてAKKODiSとの関わりを楽しいと感じている人間がいると思います。特に若手に「私たちが活躍できるかもしれない、上に行けるかもしれない」という意識が芽生えていると感じます。
製造業向けの人材派遣の面でも期待
—2年目に突入したAKKODiSにこれから期待することはありますか。
まずは結果ですね。AKKODiSさんがいたから変わったねと社員が思えて、それが業績に反映される。それが一番です。上場企業ばかりの競合と戦えるようになるには、最低限必要なことだと思っています。
あとは、社員みなが生き生き働けるようにしてほしいですね。
—AKKODiSでは、製造業の人材派遣という業務も行っています。
今は工場に人が集まらない状態なので、大いに期待しています。また、今後は工場のDX化をする上でご指導いただいきたいと思っています。
特に若手の離職率が高いです。組織の問題なのかなと思い、AKKODiSさんに入ってもらったといういきさつがあるので、ぜひ一緒に改革をしていただければと思います。
安心して任せられる組織に。社員一人ひとりの意識を変えていきたい
—経営陣については、増本さまが求めていることと今の状況では大きく違う部分がありますか。
先ほども話しましたが、上長含めマネージャーを中心に、「お客さまのために、企業として組織として、何が重要になるか、そのためになにをするべきなのか」ということを、今以上に常に自問自答して対応してほしいと感じています。
今、弊社は過渡期にあると思うので、社員一人ひとりにチャンスがあります。できれば、社員のなかから次世代のリーダーが出てきてほしい。そのためにはAKKODiSに、経営戦略実行・業務改革支援・人事組織設計などトータルでの組織改革を進めていただくなかで、現場に寄り添った形でマネージャーとしての教育も含めて推進していただきたいと思っています。
—コンサルティングだけではなく、社員の教育や人材派遣といったトータルなサービスを、AKKODiSに期待しているということですね。
特に、自発的に勉強するという意識は重要だと思っています。若手含め、社員がそのような意識になるよう、これからのAKKODiSには期待しています。