人財×テクノロジーで他者をエンパワーできる社会に。
チェンジリードの挑戦。

 

#チェンジリード #エンパワー #人事採用 #双子の育児

新卒から人事・採用部門でキャリアを築きながらも、テクノロジーを使ってさらに人事領域に貢献したいと、独学でエンジニアリングを学びマイクロソフトでキャリアチェンジを実現。シアトルで双子のママとしても多忙な日々を送る中、さらなる成長とエンパワーできる社会を目指して当社の採用部門に参画し、チェンジリードという新しいポジションで、リクルーターの意識改革や組織の変革を加速させる役割や人事採用への想いに迫っていきます。

働く人や職場環境を良くしたい。
専門性を身に付けるために選んだグローバル企業での経験。

私は愛知県の出身で、生まれ育った土地は製造業が盛んな地域でした。学校の友人やご家族が外国籍だったり、多様なバックグラウンドを持っている大人たちの働く姿が身近にありました。活気に溢れる姿を見る一方で、労働環境が悪く健康を害してしまったり、不景気のあおりを受け、厳しい経済状況下で働く人たちも多く目にしてきた私は、「働く人が幸せになれるような世界を作りたい。そのために何かできることがあるのでは」と、幼い頃から思っていました。そのような想いをずっと抱いてきた私にとって働く人や環境に関わる仕事に就くことは、ある意味必然のこととして思い描いてきました。

人事採用のキャリアは、大学を卒業後、新卒で文科省管轄の研究機関に入所したところから始まります。その職場では、海外の大使館や研究機関との交流が多く、頻繁に「あなたの専門分野は何ですか?」と聞かれることがありました。その度に「人事総務全般」という回答をしていましたが、相手からはけげんな顔をされたんです。
「専門性は何ですか」という質問は、グローバルミーティングや会食の場では必ずあり、同様の状況に遭遇するたび、その道のプロフェッショナルとして専門性を高めることが必要だと痛感した私は、これから人事採用としてキャリアを積むために必要な経験は何かを考え、グローバル企業で多種多様な人財の働き方やパフォーマンス向上を体得するために、アクセンチュア株式会社に転職。
その後、国内企業の人事採用に関して問題意識もあり、株式会社アシックスの本社へ活動の場を移しました。その時の活動が日本マイクロソフト株式会社の目に留まり、同社の人事採用部門に招かれ、アジア太平洋地域の採用を担当することに。
そして、この転職がその後の私のキャリアに新たな変化をもたらすきっかけとなりました。

人事からエンジニアへキャリアチェンジ。結婚、渡米、双子のママに。

マイクロソフト本社でプレゼンを行っている様子。

人事採用の仕事に就いて10年ほど経っていましたが、日本マイクロソフトでテクノロジーに触れ、ITの可能性を強く感じた私は、技術の力で社会の課題に取り組み貢献したいと考えるようになりました。人事からエンジニアへのキャリアチェンジです。周りの同僚からは、いまのキャリアを捨ててエンジニアに転身するなんてもったいない、未経験で技術部門への異動は無理だと言われましたが、私の気持ちは変わりませんでした。
それは「人をエンパワー※する」ことが私の人生で最も大切にしていることだからです。
テクノロジーの力を使えば、人をエンパワーすることが、もっとレベルアップして実現できる。自分の想いと目指すことが決まったら、あとはもう進むだけです。

独学でエンジニアスキルを学び、人事からエンジニアになるためのマイルストーンを作成。取得する資格や習得するまでの期間を具体的な計画書に落とし込み、技術部門のマネージャーに「人事にテクノロジーの力が加われば、チームに新たな価値を提供でき、多くの社員に貢献できる」と提案し、必要なスキルが身に付いたタイミングで社内公募制度に応募。エンジニアへのキャリアチェンジを実現しました。
日本支社でエンジニアとしてキャリアをスタートしてからしばらくして、マイクロソフト本社で勤務する夫と結婚し、シアトルへ渡米。翌年に双子を出産し産休明けに、マイクロソフト本社のエンジニアとしてオープンポジションへ応募し、人事や財務経理などの領域に関わる技術者として本社で仕事を再開しました。

※エンパワー:個人やグループに力や権限を与えて、自己決定力や自信を高め、自己実現を促進するプロセスやアプローチをすること。他者を支援し、自己効力感を向上させることで、人の能力やポテンシャルを最大限に活用できるようにすることが主な目的。

AIが人の仕事を奪う時代が現実に。
帰国を決めた「チェンジリード」としての挑戦。

シアトルから日本へ帰国を決意。現在マイクロソフト本社で勤務する夫とは8,000kmの超遠距離生活を送っている。

シアトルで夫と双子と4人で過ごす時間は、目まぐるしくも充実していた日々でした。そんな時、AKKODiSコンサルティング(以下AKKODiS)から採用担当として一緒に働かないかとオファーがありました。実は別のコンサルティングファームからも同様のオファーを受けていましたし、まだ1歳になったばかりの双子を連れて、生活の拠点を日本に移すことにも迷いと不安を感じていました。
けれど、私がこれまで積み重ねてきたキャリアや多様な経験を高く評価していただき、「日本を、課題解決先進国に。」というビジョン実現に向けて、私自身も新しい経験ができると確信し、2023年6月から採用部門にて「Change Lead(チェンジリード)」というポジションで、採用の変革に取り組むことを決意しました。

入社して最初に感じたことは、私の予想を上回る速さで変革が進行しているということでした。組織全体がVUCA※1と呼ばれる時代に適応し、柔軟に対応しようとする姿勢に感銘を受けましたし、まさにグロース・マインドセット※2を体現していると感じるものが多くありました。
いま、日本の社会は多くの変化が起きています。不確実性が高まり、人口構造が変化し、AIやロボティクス技術の進化によって社会が大きく変わる変革の時でもあります。例えば、2023年5月に米IBMが、今後数年で約7,800人分の職が人工知能(AI)に置き換わる可能性があり、一部職種の採用を一時停止するという見通し、という報道がありました。日本では大きく取り扱われませんでしたが、これは私たち採用担当から見るとものすごいインパクトのあるニュースです。大手企業が、AIへの投資と引き換えに、従業員を削減する計画を実施していることは、これまでもたびたび報じられてきましたが、AIによる仕事の自動化が現実のものとなりつつあるのは確かです。このような状況の中で、私たちは社会背景や組織内の状況を考慮しながら、人事採用部門に関わるそれぞれの役割に求められることについて真剣に考えることが必要です。

経済学者のシュンペーターが「創造的破壊」というイノベーション理論を提唱していましたが、背景にあるのは、基本的に企業内部のイノベーションによる新陳代謝です。つまり、私たちがイノベーションをどのように推進していくかを常に考え続けることで、古い方法や過去のプロセスからの脱却が可能であると。採用活動も同じで、従来の採用アプローチだけでは限界があります。
これまでの人事採用担当者として得てきた経験値は一つの武器にはなりますが、変化の激しい世の中では、現状維持だけでは取り残されてしまいます。そして、AIを活用した効率化が進行している状況において、私たちが採用担当として大切に考えフォーカスするのは「人との繋がり」だと思います。そのために、私はチェンジリードとして、変化の先にある新たな採用の形を提案し、リクルーターのキャリア支援や成果が出せる仕組みを生み出したいと思っています。

※1VUCA:Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityの頭文字で構成される言葉。将来の予測が困難な状況を示す造語。
※2グロース・マインドセット(Growth Mindset)
スタンフォード大学の心理学教授キャロル・ドゥエック氏によって提唱された、自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できるという考え方のこと。失敗を恐れずさまざまなことに挑戦し成長に活かそうと前向きに取り組むため、成長型マインドセットとも呼ばれる。

変化と向き合い一人ひとりが行動できる組織へ。

現在、私はチェンジリードとして大きく3つのことに取り組んでいます。一つ目はAKKODiSの強みは何かを分析し、未来のAKKODiSが求める人物像を策定する人財獲得戦略プロジェクトです。このプロジェクトには、採用部門だけでなく、経営層や統括部門の役職者にも参加をしてもらいディスカッションを行っています。テックコンサルタント※の市場が激化している中で、どうすれば会社の成長を加速させていけるのかという、未来のAKKODiSを創っていく人財の深堀をしています。

2つ目は、人財の最前線にいるリクルーターのマインドセットです。社内のリクルーターに、採用スキルの向上からブランディングに関するトレーニングなど、市場価値向上に貢献するコンテンツを提供しています。AKKODiSがコンサルティング会社に生まれ変わり、ビジネスモデルを変革していく中で、採用市場においてどのような立ち位置を狙って、どのようなアクションが求められているのかを考え、「その先のリクルーター」としてスキルアップしていくことが重要と考えているからです。
また、変化が避けられない現実に直面したとき、それにどう対応するかを考えることも不可欠です。
例えば、経営方針や事業方針が変更となった場合、人によって受け止め方はさまざまですが、驚くと同時に落ち込むこともあるかと思います。その際、ネガティブな反応だけではなく、この変革を成功させるためどんな提案ができるのかというポジティブなアプローチを考えられれば、他社との差別化が図れ、変化に強い組織にもなれると思っています。それは簡単なことではありませんが、そのような視点を意識できるようになっていきたいと思っています。

※AKKODiSではエンジニアの呼称を「テックコンサルタント」としています。

アイデアを具体的に言語化し、積極的に行動していける組織へ。

3つ目は新しい事業の立ち上げです。部署間を超えて人財とイノベーションの創出を目指すものです。1つ目の人財獲得戦略プロジェクトを策定している中で出てきたアイデアですが、一般的な企業であれば採用部門の私が事業戦略に関わるような提案をするチャンスもなかったと思います。けれど、経営会議で提案の場を作ってもらえ、参加した経営層の方たちから「素晴らしい!ぜひやろう!」と新事業への後押しをしてもらえました。

私の人生の目標は「人財×テクノロジーの力で、より多くの人がリーダーシップを発揮しながら他者をエンパワーできる社会にすること」です。
会社を良くしていきたい、こんな風に変えていけば面白いんじゃないか、というアイデアは皆さん持っていると思います。それを行動に移して、提案してみると想像以上のサポートやフィードバックをもらえることをこれまでに経験してきました。熱意は人を動かす力になりますが、思っているだけでは伝わりません。それを言語化して周りの人に伝える。リクルーターだけではなく、社員一人ひとりがアイデアを実現するために積極的に行動へ移していける組織を作っていくことが私の役割だと思いますし、それを願っています。

PROFILE

吉田
テクノロジー統括タレントアクイジション本部Change Lead

AKKODiSの次世代人財獲得戦略を担うChange Leadとして、採用変革プロジェクトを担当。大学卒業後、文科省の研究所でキャリアをスタートし、外資系コンサルティング企業や日系メーカー企業で通算10年の人事・採用領域の経験を有する。独学でITエンジニアへのキャリアチェンジを果たし、留学経験ゼロからMicrosoft本社でエンジニアとして勤務し、北米のお客様を担当。アメリカで双子を出産後、2023年6月よりAKKODiSにて未来を創るチェンジリードとして採用変革を担う新たな挑戦を開始。マイクロソフト本社で勤務する夫とは日本とシアトルで8,000kmの超遠距離婚。

  • インタビュー内容、所属は取材当時のものです。
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